議院運営委員会について


 議院運営委員会という委員会があります。この委員会は、衆議院と参議院の両方にあり、議事日程から職員の給料まで、各議院のあらゆることがらを決めています。

 さて、議事日程を決めるとは、どういうことでしょうか。本や各院のサイトによれば、以下のようなものを決めています。

  1. 議案を、どの委員会で審議するか
  2. 議案の、委員会での審議を省略するか
  3. 常任委員会以外の特別委員会を設置する時、どの会派に何人割り当てるか
  4. 議案を、いつ本会議に上程(会議にかけることを上程(じょうてい)と言います)するか
  5. 首相の演説などに対する質問を、いつ、どの会派から、各会派何分の持ち時間で行うか

 例えば、この間可決された参議院の首相の問責決議を例に考えてみましょう。今回の問責決議案は、国民の生活が第一などが消費税の増税反対を全面に出したものと、自民党が中心になって出したものと2つありました。

 このうち、生活などが出したものは、消費税増税を含む税と社会保障の一体改革法案の参院採決時に出されたものでした。議院運営委員会は、8月20日に問責決議案を委員会での審議を省略する要求を否決し、そのまま2週間以上放っておきました。こうなると、どうすることもできません。

 その後、8月28日に自民党が中心となって出した問責決議案と、放っておいた問責決議案の2つの取り扱いを審議します。審議の結果、自民党中心の問責決議案は委員会審査の省略要求を否決し、もともとあった問責決議案の委員会審査を省略することを決めたのです。

 こうして、生活などが出した問責決議案は本会議に上程され、本会議で採決のうえ、可決されたというわけです。

 議事日程を決めるというのはこういうことで、本会議で採決されなければ可決されない以上、国会における議院運営委員会の役割は大変重要なものと言えます。

参考文献:大山礼子『国会学入門 第2版』(三省堂)
     浜田幸一『お願いだから、わかって下さい。国会というところ…」(ポプラ社)



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