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予算が否決されてから成立するまで


 2013年5月16日現在。昨日15日、2013年度予算が成立しました。2月に成立した2012年度補正予算は衆参両院で可決しているのですが、2013年度予算は参議院で否決されました。どのような手続きを踏んで予算が成立したのでしょうか。少し流れを追ってみます。

■参議院本会議で否決

 まず、参議院予算委員会で予算案が採決され、野党の反対多数で否決されます。次に、参議院本会議で予算委員長が報告したのち、採決され、野党の反対多数で否決されます。

■両院協議会開会

 参議院本会議で予算案が否決されたことで、すでに予算案を可決している衆議院の議決と不一致になってしまいました。衆議院は両院協議会を開くことを参議院に請求します。ここで、衆参の意見を調整するため、両院協議会が開かれます。協議委員は、衆参から10名ずつ選出されます。

■衆議院の議決が国会に議決となり、成立

 15日午後9時半ごろから両院協議会を開いたものの、衆参の意見は一致しませんでした。事ここに至って、憲法60条2項により、衆議院の議決が国会としての決定になり、2013年度予算が成立することになりました。衆議院の議事経過によると、議長が衆議院の議決が国会の議決となったことを告げ、本会議が散会になったのは、午後10時44分のことでした。

憲法60条2項
 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。


自然成立の30日はどう数えるか?


■予算に関する衆議院の優越

 2013年4月15日現在。明日16日に、2013年度予算案は衆議院予算委員会と本会議で採決される見込みです。予算委員会でも本会議でも、自民党・公明党の与党勢力が過半数を占めているので、予算案は可決されることになります。

 衆議院での採決が終わると、予算案は16日中に参議院に送付されます。参議院での審議は、17日には党首討論が、18,19日はG20があるため、来週4月22日以降に行われると見られます。17日以降は、首相や財務大臣を参議院予算委員会が確保できないからです。

 参議院での審議はありますが、衆議院で可決されてしまえば予算案はもう安泰です。憲法60条2項があるからです。

憲法60条2項
 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 参議院に予算案を送付してから30日以内に採決されない、もしくは、採決されて否決された場合でも、予算案は衆議院の議決通り可決成立するからです。

■30日をどう数えるか?

 この30日は、どう数えるのでしょうか。参院に送付された4月16日から1日ずつ数えていくのでしょうか?そして、自然成立は30日目の5月15日になるのでしょうか?それとも、その翌日の5月16日?ここ最近、予算案の自然成立について考えるとき、いつも悩んでいました。

 その悩みが、先週解決しました。2013年4月13日付の読売新聞朝刊、『予算案、16日衆院可決へ』という見出しの記事に、次のように書いてあったのです。

予算案は16日に参院に送付され、遅くとも30日後の5月15日には自然成立する。

 読売新聞によれば、参議院に予算案が送付された日から「30」とカウントダウンが始まり、カウントが「1」になったところで自然成立する、と考えて良いようです。新聞がこういうところをきちんと書いてくれると、政治を楽しむ立場からすると非常に助かります。

 


2013年度予算案、4月16日衆院通過へ


■2013年度予算案4月16日採決

 2013年4月13日現在。2013年度予算案を4月16日に衆議院予算委員会と本会議で採決することが決まりました。

 ここで審議状況を確認します。()内の数字は2012年度予算の衆議院予算委員会の審議実績です。

  • 基本的質疑:4日(4日)
  • 一般的質疑:3日(6日)
  • 集中審議:6日(5日)
  • 地方公聴会:1日(1日)
  • 参考人質疑:0日(1日)
  • 公聴会:1日(1日)
  • 分科会審査:0日(1日)*4月12日,15日に実施決定済
  • 締めくくり質疑,討論,採決:0日(1日)*4月16日に実施決定済

■昨年と比較

 2013年度予算案の衆議院の審議日数は、18日間になる見込みです。昨年は20日間なので、昨年よりも2日少ないことになります。ただ、これはあくまでも2013年度予算案を議題とした衆議院予算委員会が開かれた日数です。実際の審議時間で比べた時に、どの程度差が出るかはこれだけではわかりません。

 4月11日付の読売新聞朝刊に、「最近5年間の予算案審議状況」と題する表が出ていました。過去5年間の衆議院予算委員会の基本的質疑、一般的質疑、集中審議、締めくくり質疑の合計時間などを示したものです。その表によれば、昨年の予算案の総質疑時間は88時間40分でした。基本的質疑、一般的質疑、集中審議、締めくくり質疑の日数である16日で割ると、1日あたりおよそ5時間30分審議していることになります。

 その表には4月10日時点での2013年度予算案の総質疑時間も出ていました。総質疑時間は76時間30分。4月10日までに基本的質疑、一般的質疑、集中審議は13日間審議しているので、13日で割ると、1日あたりの審議時間はおよそ5時間50分になります。読売の表で考慮されてる審議で残っているのは、4月16日の締めくくり質疑のみです。16日で12時間ほど審議すると昨年の総質疑時間に達することになりますが、おそらく、時間数でも昨年より短くなるでしょう。


一般的質疑より集中審議?


■予算審議状況

 2013年度予算案は、16日に衆議院で採決し、可決する見込みであるという報道がされています。ここで審議状況を確認します。()内の数字は2012年度予算の衆議院予算委員会の審議実績です。また、カレンダーの*印は予定分です。

  • 基本的質疑:4日(4日)
  • 一般的質疑:3日(6日)(2013年4月11日訂正)
  • 集中審議:5日(5日)*4月10日に6日目実施決定済(2013年4月11日訂正)
  • 地方公聴会:1日(1日)
  • 参考人質疑:0日(1日)
  • 公聴会:0日(1日)*4月11日に実施決定済
  • 分科会審査:0日(1日)*4月12日,15日に実施決定済
  • 締めくくり質疑,討論,採決:0日(1日)

!!2013年4月11日追記:4月5日の一般的質疑を集中審議と間違えていました。訂正いたします。!!

2013年 4月
1
一般的質疑2
2
集中審議3
3
地方公聴会
4 5
一般的質疑3
6

7 8
集中審議4
9
集中審議5
10
集中審議6*
11
中央公聴会*

12
分科会審査1*
13

14 15
分科会審査2*
16
予算委員会採決?
17

18
G20
19
G20
暫定予算期間内成立最終ライン
20

21 22

23

24 25 26 27

28 29 30

 もし、16日に採決するとなると、昨年より、一般的質疑が3日少ないことになります。そして、審議時間の総数も昨年より2日分少なくなります。これで民主党をはじめとする野党は納得するのでしょうか。

■一般的質疑より集中審議?

 一般的質疑と集中審議はどう違うのでしょうか。一番違うのは、一般的質疑は首相に出席義務がないのに対して、集中審議は首相が出席しなければならないという点にあります。首相が出席しなければならないということは、首相の時間を拘束するということです。行政の長である首相を、国会の監視下におくことになります。つまり、一般的質疑より、集中審議の方が野党にとって価値が高い可能性があります。

 今年度は、一般的質疑が昨年より3日少ないかわりに、集中審議は昨年より1日多く実施する見込みです。もし、集中審議1日分が一般的質疑2日分に匹敵する価値をもっているとすれば、野党としても面子を潰さずに、採決に臨むことができます。「価値が高い審議(集中審議)を昨年より1日多くしているから、昨年より2日少ない審議時間でも構わないでしょ」と、与党が野党を説得する余地が生まれるのです。

 私は、今国会の審議状況から考えて、野党は審議時間の確保をするため4月16日に採決で折り合うのは難しいんじゃないかと思っていました。ですが、上で述べたような考え方が通れば、「集中審議を一般的質疑の代わりにする」ことで手を打って、野党が4月16日に衆議院に予算案を採決することを許す可能性もあるかもしれません。


2013年度予算の採決時期はいつか?


■4月第1週終了

 4月に入って、第1週が終了しました。2013年度に入りましたが、2013年度予算は未だ成立していません。

 ここで審議状況を確認します。()内の数字は2012年度予算の衆議院予算委員会の審議実績です。また、カレンダーの*印は予定分です。

  • 基本的質疑:4日(4日)
  • 一般的質疑:3日(6日)(2013年4月11日訂正)
  • 集中審議:3日(5日)*4月8日に4日目実施合意済(2013年4月11日訂正)
  • 地方公聴会:1日(1日)
  • 参考人質疑:0日(1日)
  • 公聴会:0日(1日)*4月11日に実施決定済
  • 分科会審査:0日(1日)
  • 締めくくり質疑,討論,採決:0日(1日)

!!2013年4月11日追記:4月5日の一般的質疑を集中審議と間違えていました。訂正いたします。!!

2013年 4月
1
一般的質疑2
2
集中審議3
3
地方公聴会
4 5
一般的質疑3
6

7 8
集中審議4*
9 10 11
中央公聴会*

12 13

14 15 16

17

18
G20
19
G20
暫定予算期間内成立最終ライン
20

21 22

23

24 25 26 27

28 29 30

 昨年の審議実績を基準に考えると、あと9日程度審議する必要があります。

■3つのシナリオ

 先月末に成立した暫定予算の期間は4月1日から5月20日までです。5月20日までに2013年度予算が成立していないと、政府・与党の見積もりが甘かったことになります。そして、確実に5月20日までに成立させるには、4月19日には予算案を衆議院で可決し、参議院に送付しなければなりません。

 しかし、4月18日~19日はワシントンで開かれるG20に麻生財務大臣が出席するため予算委員会は開けません。このため5月20日までに予算を成立させるには、4月17日には採決しなければならないのです。

 4月17日まで、平日は残り8日。昨年の審議時間より1日少なくなります。民主党は今国会において、2012年度補正予算審議や日本銀行正副総裁人事の同意審議などで、最大限の審議時間確保を求め、勝ち取ってきました。民主党の対応により、2013年度予算の採決時期について、3つのシナリオが想定できます。

    シナリオ1:与党が5月20日までの成立確定を断念し、4月22日以降採決
    シナリオ2:野党が審議時間の確保を断念し、4月17日採決
    シナリオ3:与野党が相互に譲歩し、土日に審議して4月17日までに採決

 どのシナリオになるか、新聞の政治欄などを注目して見ていきたいです。


2013年度予算審議日程はかなり窮屈


■麻生財務大臣、ワシントンへ

 2013年4月2日現在。今朝の読売新聞朝刊、「今年度予算案2週間ぶり審議」という見出しの記事に、興味深いことが書かれていました。以下に引用します。

麻生財務相が今月18日からのワシントンでの主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するため、与党は17日までの衆院通過を目指す方針だ。

 どうして、与党は17日までの衆院通過を目指す方針なのでしょうか?

 まず、3月末に成立した暫定予算の期間は4月1日から50日間なので、その期間内に2013年度予算を成立させるには、4月19日までに衆議院を通過させる必要があります。つぎに、財務大臣が国会に出席できない場合、予算委員会は開けませんが、麻生財務大臣は4月18日から日本にいません。これらの条件から導き出される日付が、4月17日なのです。

■4月17日に通過できるか?

 昨年と同じだけの予算審議時間を確保するには、4月から13日分の審議時間が必要です。すでに昨日1日と本日2日に審議しているので、残り11日になります。カレンダーを見てみましょう。

2013年 4月
1
2
3 4 5 6

7 8 9 10 11

12 13

14 15 16

17

18
G20
19
G20
暫定予算期間内成立最終ライン
20

21 22

23

24 25 26 27

28 29 30

 4月19日まで、平日は13日しかありません。G20により、18,19日に予算委員会は開けません。平日は残り11日です。これで、昨年並みの審議時間確保に必要な日数と並びました。すなわち、残りの平日全てで予算委員会を開かないと、4月19日までに昨年並みの審議日程を確保できないことになります。かなり窮屈な日程だと言えるでしょう。


2013年度予算の日程消化状況


■暫定予算成立

 2013年3月30日現在。28日に衆議院を通過した2013年度暫定予算案は、昨日29日に参議院で審議され可決・成立しました。

■2013年度予算の日程消化状況

 昨日で、2012年度の国会審議も終わりです。肝心の2013年度予算案の進捗状況はどうなっているのでしょうか。

 2012年度予算を審議する衆議院予算委員会の日程は以下のとおりでした。

  • 基本的質疑:4日(首相出席)
  • 一般的質疑:6日
  • 集中審議:5日(首相出席)
  • 地方公聴会:1日
  • 参考人質疑:1日
  • 公聴会:1日
  • 分科会審査:1日
  • 締めくくり質疑,討論,採決:1日(首相出席)

 2013年度予算は、基本的質疑4日、一般的質疑1日、集中審議2日の日程をそれぞれ消化しています。昨年度の審議日程と同じ日数審議すると仮定すると、残り、13日となります。すでに、3月26日の衆議院予算委員会理事懇談会で4月1日に一般的質疑、4月2日と5日に集中審議、4月3日に地方公聴会を行うことで合意していますので、4月の第1週で4日分の日程を消化することになります。これで残り9日です。

 このたび成立した暫定予算は、4月1日から5月20日までの50日間を対象としています。暫定予算の期間内に2013年度予算を成立させるためには、4月19日には衆議院で採決しなければなりません。そうすれば、参議院での審議がどれだけかかったとしても、30日を超えれば成立する(*1)ので、5月20日に間に合います。

 このため、4月8日〜4月12日と4月15日〜4月19日の10日間で9日分の審議をおこなわなければならないことになります。昨年の審議日数と同じだけ審議するとしたら、ギリギリです。予算委員会の野党の筆頭理事(*2)である長妻昭代議士(民主党)はかなりの強硬派のようなので、昨年より少ない日数になることはないでしょう。

*1…憲法60条2項

予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

*2…委員会の進行などを協議する理事のなかで、与野党で1人ずつ専任される。与野党協議で中心的な役割を担っている。


暫定予算と日切れ法案で、衆院通過は4月11日以降か


■忘れていた暫定予算と日切れ法案

 前回の記事、「2013年度予算案の衆議院通過は4月5日か?」で、2013年度予算審議の日程を考えた時に考慮に入れていなかったことがありました。暫定予算と日切れ法案です。

 暫定予算と日切れ法案を審議している間は、2013年度予算案を審議する予算員会は開けないのです。だから、昨年と同じペースで審議しても、2013年4月5日までに衆議院通過するのは難しいみたいです。早くて4月11日、遅いと4月18日頃になると思われます。

■暫定予算とは

 暫定予算とは、次年度予算が年度内(3月末)までに成立しない場合に、4月から一定の期間作成する予算です。暫定、つまり次年度予算までの「つなぎ」の予算なので、国債費や公務員給与費のようなどうしても払わなくてはならない経費に限って計上されます。(『新・国会事典 第2版』)

 例えば、2012年は3月末までに2012年度予算が成立しなかったため、2012年4月1日〜4月6日までの間を対象に2012年暫定予算を作成しました。実際に2012年度予算が成立したのは2012年4月5日です。

■日切れ法案とは

 日切れ法案とは、「年度内に成立していないと国民生活等に重大な影響を与える法律」(『国会とは何か』)のことを言います。以前、大変話題になった「ガソリン税等の暫定税率」のように法律の期限が3月31日までのものについて、4月1日以降も効果が継続するように定めたものが、日切れ法案の典型的な例です。

■暫定予算と日切れ法案を審議中、予算案は?

 さて、暫定予算と日切れ法案を審議中、2013年度予算の審議はどうなるでしょうか。

 暫定予算の審議も両院の予算委員会で行われます。昨年は、2012年度暫定予算を審議する際、予算委員会は暫定予算のみを議題としました。そのため、2012年度予算の審議はお休みになりました。

 日切れ法案については、次の記事が参考になりそうです。

与党は関税定率法改正案などの日切れ法案を18日からの週に審議入りさせる方針で、その間予算委は開けない。
中国新聞:「13年度予算、連休明け成立の公算 衆院委の審議ずれ込む」

 確認してみると、2012年は3月27日(火)、3月28日(水)、3月29日(木)と参議院予算委員会は開会されず、その他の委員会で日切れ法案の審議をしていました。

■それを踏まえて、2013年予算案の衆議院通過は?

 日切れ法案の審議が、衆参で3〜4日かかるとします。そして、暫定予算の審議は、衆参半日で1日で終わっていました。とすると、前回予想した衆議院通過予定日4月5日に、平日を4日から9日足せばよさそうです。

 4日~9日と間があいているのは、日切れ法案が衆議院を通過したらすぐに2013年度予算案の審議を継続できるのか、それとも、日切れ法案が参議院を通過して成立するまで衆議院予算委員会を開けないのかよくわからないからです。また、昨年の暫定予算の期間は6日程度なのにたいし、今年は5月の連休明けまで1ヶ月半分作成しなければならないはずです。暫定予算の期間の長さが審議日数にどれだけ影響を与えるのかもわかりません。

 以上を考慮すると、2013年度予算案の衆議院通過は、最短で4月5日+平日4日の4月11日(木)頃、遅くて4月5日+平日9日の4月18日(木)頃になる見込みです。

参考文献:
浅野一郎・河野久編著『新・国会事典 第2版』(有斐閣)
清野正哉『国会とは何か』(中央経済社)



2013年度予算案の衆議院通過は4月5日か?


2013年3月12日追記:この記事では、「暫定予算」と「日切れ法案」を考慮に入れていません。詳しくは「暫定予算と日切れ法案で、衆院通過は4月11日以降か」を御覧ください。

■昨年の衆議院予算委員会のスケジュール

 2012年度予算を審議する衆議院予算委員会の日程は以下のとおりでした。

  • 基本的質疑:4日(首相出席)
  • 一般的質疑:6日
  • 集中審議:5日(首相出席)
  • 地方公聴会:1日
  • 参考人質疑:1日
  • 公聴会:1日
  • 分科会審査:1日
  • 締めくくり質疑,討論,採決:1日(首相出席)

 基本的質疑は最初に行われ、締めくくり質疑・討論・採決は最後に行われますが、あとのものはバラバラの順番で行われます。一般的質疑や、集中審議も一気に日数を消化するのではなく、断続的に行われ、その間に公聴会などが入ってきます。「(首相出席)」とついているのは、内閣総理大臣が出席することになっているものなので、首相が行事のため国会に出席できない場合はできないことになります。

■2012年度予算の審議日程カレンダー

 昨年の審議日程をカレンダーにしてみます。

2012年 2月
1 2 3 4

5 6 7 8 9
基本的質疑1
10
基本的質疑2
11

12 13
基本的質疑3
14

15
基本的質疑4
16
一般的質疑1
17
集中審議1
18

19 20
一般的質疑2

21
一般的質疑3
22
集中審議2
23
集中審議3
24
地方公聴会
25

26 27
参考人質疑
28
一般的質疑4
29
一般的質疑5

2012年 3月
1
集中審議4
2
公聴会
3

4 5
分科会
6
集中審議5
7
一般的質疑6
8
締めくくり質疑
討論
採決
9 10
11 12 13

14

15

16 17

18 19

20

21 22 23 24

25 26 27 28 29 30 31

■2013年度予算案の衆議院通過は?

 こう並べてみると、2012年2月14日以外は連日予算審議が行われています。まだ調べきれていないのですが、2012年2月14日は基本的質疑の最中なので、閣僚のいずれかに不都合があり国会に出席できなかったため予算委員会を開けなかったのではないかと思います。

 昨年と同じペースで審議が進むとすると、2013年度予算案の衆議院通過は、2013年3月7日からの平日20日間+休み1日で、4月5日(金)になります。

2013年3月12日追記:この記事では、「暫定予算」と「日切れ法案」を考慮に入れていません。詳しくは「暫定予算と日切れ法案」を御覧ください。


今年の基本的質疑は例年並み


■来年度予算案審議開始

 2013年3月7日現在。衆議院予算委員会は、昨日6日に来年度予算案の趣旨説明を行い、予算審議がスタートしました。各党が首相をはじめとする全閣僚を出席させて質疑を行う基本的質疑は、7日(木)、8日(金)、11日(月)、12日(火)と、4日間行われる予定になっています。

■基本的質疑の日数は例年並み

 すでに両院で可決・成立した補正予算や、現在各党が検討している日本銀行の正副総裁人事の日程では、与党は野党に配慮してなるべく審議時間を長くとるようにしました。来年度予算案についても与党は譲歩を強いられるのではないかと思い、昨年の予算審議の内訳を詳しくみてみました。

 国会会議録検索システムで、昨年の通常国会である180回国会の衆議院予算委員会の会議録を調べた結果、昨年の基本的質疑は、2012年2月9日(木)、10日(金)、13日(月)、15日(水)の4日間であることがわかりました。また、2011年も4日間で、2009年から2010年は3日間だったこともわかりました。過去4年間と比べても、今年の基本的質疑の長さは例年並みと言えそうです。