■予算に関する衆議院の優越
2013年4月15日現在。明日16日に、2013年度予算案は衆議院予算委員会と本会議で採決される見込みです。予算委員会でも本会議でも、自民党・公明党の与党勢力が過半数を占めているので、予算案は可決されることになります。
衆議院での採決が終わると、予算案は16日中に参議院に送付されます。参議院での審議は、17日には党首討論が、18,19日はG20があるため、来週4月22日以降に行われると見られます。17日以降は、首相や財務大臣を参議院予算委員会が確保できないからです。
参議院での審議はありますが、衆議院で可決されてしまえば予算案はもう安泰です。憲法60条2項があるからです。
憲法60条2項
予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
参議院に予算案を送付してから30日以内に採決されない、もしくは、採決されて否決された場合でも、予算案は衆議院の議決通り可決成立するからです。
■30日をどう数えるか?
この30日は、どう数えるのでしょうか。参院に送付された4月16日から1日ずつ数えていくのでしょうか?そして、自然成立は30日目の5月15日になるのでしょうか?それとも、その翌日の5月16日?ここ最近、予算案の自然成立について考えるとき、いつも悩んでいました。
その悩みが、先週解決しました。2013年4月13日付の読売新聞朝刊、『予算案、16日衆院可決へ』という見出しの記事に、次のように書いてあったのです。
予算案は16日に参院に送付され、遅くとも30日後の5月15日には自然成立する。
読売新聞によれば、参議院に予算案が送付された日から「30」とカウントダウンが始まり、カウントが「1」になったところで自然成立する、と考えて良いようです。新聞がこういうところをきちんと書いてくれると、政治を楽しむ立場からすると非常に助かります。