党内政治」カテゴリーアーカイブ

谷垣さんの処遇は難しい


2014年9月2日現在。いよいよ、明日が内閣改造・自民党役員人事です。

8月末に一部報道で、谷垣法務大臣が自民党の総務会長に起用されるという記事が流れました。しかし、今朝の報道では二階衆議院予算委員長が総務会長に就任する見込みと報じられています。さらには、谷垣さんの留任の観測も出ています。

よく考えると、野党時代とはいえ、谷垣さんは自民党総裁を務めています。一度総裁になった人を、総裁よりは格が落ちる党三役に就けるのはちょっと微妙な感じです。

ですから、谷垣さんを処遇するなら閣僚にするか、議長にするかしかないんじゃないと思います…と、ここまで書いたところで、谷垣さんを幹事長に起用するという時事通信の報道を目にしました。これが本当なら、上に述べた理由で異例の人事です。

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安倍総理に押し切られた石破さん


2014年9月1日現在。新聞は明後日に迫った内閣改造、自民党役員人事に関する記事で、連日にぎわっています。

今回、最も注目されているのが石破幹事長の処遇です。報道によれば、幹事長続投を希望した石破さんに対し、安倍総理は安全保障法制担当大臣に起用する考えで、両者の思惑が異なっていたようです。

結局、安保法制担当相の就任を固辞する石破さんは、安保法制担当相以外のポストでの入閣を要請した安倍さんに押し切られる形で入閣することになりました。

石破さんの立場になってみると、これは結構ひどい扱いです。そもそも、政権与党の幹事長とxx担当相では格が違いすぎます。専務からヒラ役員か部長になるくらいの処遇です。

さらに、政権与党の一切を取り仕切る幹事長と、せいぜい特定の政策の推進係にすぎないxx担当相では、動かせるお金と人の量も違います。

特に、動かせる人については質も違います。xx担当相が動かせるのは何人かの官僚だけですが、幹事長が動かせるのは与党議員です。

石破さんの権力が、大きく削がれたことは間違いありません。

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石原共同代表の「拒否権」の根拠はなにか


 一方、石原氏は記者団に「私には拒否権がある」と強気の態度を示しており、党内が分裂含みの対立に発展する可能性も出てきた。

『時事ドットコム:維新・石原氏がちゃぶ台返し=結いとの合流方針に』

 2014年5月20日現在。日本維新の会の石原共同代表が、日本維新の会と結いの党の合流に反対する考えを示しました。日本維新の会の両院議員懇談会でのことです。

 冒頭に引用した時事通信の記事にはありませんが、本日付の読売新聞朝刊には、石原共同代表に日本維新の会の党規約に定められた拒否権があるそうです。早速、日本維新の会のサイトを見てみたのですが、代表の拒否権に関する記述は見つけられませんでした。以下の条項がいまいちよくわからないのですが、もしかしたらこれが拒否権の根拠なのかもしれません。

6 執行役員会の議事は代表及びその他の構成員の双方の意見を含む出席者の過半数の意見をもって決する。

『規約|日本維新の会とは|日本維新の会』


自民党総裁直属機関『安全保障法制整備推進本部』設立


2014年3月25日現在。自民党は集団的自衛権の行使容認についての考えを共有するための新組織である、『安全保障法制整備推進本部』を立ち上げました。

自民党の石破幹事長の記者会見を見ると、『安全保障法制整備推進本部』は自民党の政策を決定する機関ではないことが強調されています。石破幹事長のなかでは、新組織は、あくまでも集団的自衛権の行使容認に対する自民党の考え方を共有する機関であるというスタンスのようです。

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町村派は409分の89


 2014年3月23日現在。報道により、集団的自衛権の行使容認を巡る自民党各派の態度がわかってきました。

 本日付の日経新聞朝刊に「自民各派、勉強会で慎重論」という見出しの記事がでました。内容は、自民党内の派閥によって、集団的自衛権の行使容認に対する態度に差があるという内容です。

 安倍晋三首相の出身派閥である町村派は行使容認を後押しする姿勢だが、額賀、岸田、大島各派などは慎重論を強めている。

(日経新聞『自民各派、勉強会で慎重論』)

 昨日買った『政官要覧』を早速参照してみます。町村派は衆参で89人の所属議員を擁しています。党内最大派閥です。日経の記事に出ている額賀派は54人、岸田派は44人、大島派は13人です。慎重派の派閥の議員数は積極派の町村派の議員数を上回ります。

 自民党の総議員数は409人です。町村派は自民党の4分の1もありません。派閥を超えて集団的自衛権の行使容認を訴えていかなければ、党論を統一できません。

 他の派の態度も知りたいですね。


与党盤石だからこそ出てくる議論がある


 2014年3月19日現在。来年度予算案がすんなり通り、「与党盤石」という見方が広がれば、思いっきり議論をしようという与党議員がいてもおかしくはありません

■与党ペースだからこそ議論が盛り上がる

 明日20日に2014年度予算案を採決することで、与野党は合意しています。国会は依然、与党ペースで進んでいます。これだけ与党の一人勝ち状態が続くと、少々党内が揺れても大丈夫じゃないかと思う人がでてきてもおかしくありません。

 補欠選挙を除けば、国政選挙も当分ありません。そうすると、例えば集団的自衛権の行使容認を巡る議論で、「首相とは違うが、自分の意見を言いたい」という人が出てくるかもしれません。与党が盤石になればなるほど、党内で議論が盛り上がる可能性もあるのです

 集団的自衛権の行使容認を巡る動きは、憲法上重要なテーマがどのようなプロセスで決まっていくのかと、与党と政府の綱引きがどういう風に行われるかという2つのことがわかるので非常にお得な話題です。


首相に今夏の大臣ポストを握られている各派


 2014年3月18日現在。夏には内閣改造が予定されています。自民党の派閥は現在の大臣ポストだけでなく将来の大臣ポストも人質に取られています。集団的自衛権の行使容認を巡る議論で、自民党内の各派はどれだけ存在感を示せるのでしょうか。

■自民党の各派は内閣改造で将来の大臣ポストも握られている

 岸田派の幹部が大臣になっているため、集団的自衛権の行使容認を巡る議論で岸田派として存在感を示しにくなっているという話があります。ただ、これは岸田派だけの問題ではありません。

 今夏には内閣改造が予定されていて、各派の入閣を待望している議員も言動が慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。大臣になりたかったら、安倍首相の意に沿わないことはしないということです。

 ただ、早い段階で批判的なことを言って自分を高く売り、口封じということでよりよいポストを手に入れようという人も出てくるかもしれません。ですから、内閣改造だけで党内を統制できるかというとそうでもないかもしれません。


大臣は人質


 2014年3月17日現在。安倍首相が進める集団的自衛権の行使容認に批判的な自民党の派閥も、人質を取られていて自由に発言することが難しくなっています

■幹部を官邸に人質にとられている岸田派

 時事通信で面白い記事が出ていました。集団的自衛権の行使容認に慎重な議員が多いとされている自民党の岸田派ですが、会長の岸田外務大臣をはじめ、派閥幹部が大臣になっているため、安倍首相の意向に反する言動ができないというものです。

岸田派からは岸田氏や座長の林芳正農林水産相ら4人が入閣しており、表立って首相に異論を唱えにくいのが実情。首相の靖国神社参拝や、集団的自衛権の行使容認には慎重な考えだとされる岸田氏も、首相の方針から外れる言動は控えている。

『時事ドットコム:ハト派の存在感薄く=閣内に幹部、身動き取れず-自民岸田派』

 大臣同士で意見が違うと、「閣内不一致」と野党に攻撃の口実を与えてしまうので、仕方がない話です。


自民党、集団的自衛権に関する議論活発に


2014年3月14日現在。自民党内で集団的自衛権の行使容認を巡る動きが活発になってきました。

同党の石破幹事長と高市政務調査会長は、集団的自衛権について議論する総裁直属の機関を設置することを決めています。ただし、「行使容認」を前提としたもので、「集団的自衛権の行使が容認されないのではないか」という点は議論しないそうです。

そんななか、岸田派が集団的自衛権に関する勉強会を開催することが報道されています。岸田派は宏池会という自民党の派閥の名門で、どちらかといえばハト派です。集団的自衛権の行使容認に関して、岸田派の金子最高顧問は「宏池会として見識が問われる」と言っていて、執行部と同じ態度になるかは不明確です。

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自民党の集団的自衛権に関する党内組織はどんなものになるのか


 2014年3月11日現在。集団的自衛権の行使容認をめぐる議論が、自民党で再燃しています。以下はNHK NEWSWEBの引用です。

自民党の石破幹事長と脇参議院幹事長が会談し、脇氏は「自民党は野党時代に集団的自衛権の行使を容認するという考え方をまとめているが、議員も入れ代わっており、原点に立ち返って議論すべきだ」と述べ、行使容認の是非を含めて、党内で議論し直すべきだという考えを伝えました。
これに対して、石破氏は「行使容認は党の選挙公約に掲げている方針だが、参議院も含めて所属議員の意見に耳を傾けるのは当然のことだ」と述べ、懇談会の報告書の提出を待たずに、党内に多くの議員が参加できる新たな組織を設け、集団的自衛権を巡る議論の経緯などを確認する考えを示しました。

『石破氏 集団的自衛権巡り党内に新組織 NHKニュース』

 当初、石破幹事長は集団的自衛権の行使容認について、「一度党内で議論して公約になったものを再び話し合う必要があるのか」と言っていたので、微妙に軌道修正したのでしょうか。

 ただ、記事をよく読んでみると、議論をするとはっきり書いているわけではありません。「集団的自衛権を巡る議論の経緯などを確認する」となっています。軌道修正したのではないかもしれません。

 いったい何をするところなのかも含めて、「党内に多くの議員が参加できる新たな組織」というのが、どういうものになるのかも注目です。税務調査会、総務会といった、既存の党内意思決定過程に影響を与えるものになるのか、たんに組織ができるだけなのか。面白いです。

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