2021年11月3日現在。
10月31日に第49回衆議院総選挙の投開票が行われ、与党自民党は261議席を獲得し、岸田内閣が継続することが確実視されています。
自民党は選挙前の276議席から15議席減らしたものの、安定的な国会運営に必要な「絶対安定多数」となる261議席を単独で確保し、岸田首相は面目を保ちました。
自公政権は継続しますが、与野党で議席の変動がありました。議席の変動は、衆議院で実質的な審議を行う各委員会の委員の構成に影響を与えます。
国会法は、法律で定めた常任委員会について、次のように定めています。
第四十六条 常任委員及び特別委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。
会派とは国会内での議員のグループです。政党ごとに会派が組まれますが、政党に所属していない議員も既存政党の議員で構成された会派に所属することがあります。
具体的には以下の計算式で会派別の委員の割当数を決めます。
(会派所属議員数) ÷ (衆議院の定数) ✕ (委員会の定数)
これを現在判明している衆議院の各政党の議席数で計算した結果が以下の画像です。
塗りつぶした部分が小数点以下の数値を切り上げたり切り捨てたりして出した予想の割当数です。小数点以下の部分をどう扱うが悩んだ部分です。
国会法がこのように会派の比率で委員の割当を決めるよう定めているのは、各委員会で会派別の勢力比が国会の縮図になるようにしているためとされています。つまり、計算結果が1に満たないからといって少数会派や無所属議員に委員を割り当てないことは許されず、バランスをとるために何らかの基準をもって調整していると考えられます。
実際に特別国会が召集されるころには、無所属議員や少数政党の議員が他の政党と同じ会派に所属することで人数が変動し、上の画像どおりの比率にはならないと思いますが、目安にはなります。
現在、衆議院のサイトは前の国会の委員名簿や会派別の所属議員数のページを閲覧できない状態にしていて、以前の議席数で計算して結果を検討することができません。特別国会が召集され、会派が決まって、各委員会の割当数が発表されたらやっと答え合わせができます。
国会の召集が待ち遠しいです。
参考文献:森本昭夫『逐条解説 国会法・議院規則』(弘文堂)