第201回国会(常会)」カテゴリーアーカイブ

「国会を止めるな」は野党議員の本音ではある


 2020年6月21日現在。先週今年の通常国会が閉幕しました。

 今年は感染症の問題もあり、すでに二次補正まで成立しているという非常事態になっています。

 今国会では、SNSを使った抗議活動が国会を動かしたように見える出来事もありました。そのためか、一時期ツイッターで与野党の支持者によるハッシュタグの応酬もありました。そのなかで、最後に出てきたのが「国会を止めるな運動」です。

 国会を止めるな運動は、通常国会の延長を求めたものです。閉会することを「止める」と表現しています。実際、野党側は通常国会を12月28日まで延長して実質的な通年国会にしようという提案もしていました。

「感染症対策のために国会は常に開いておくべきだ」というのが大義名分なのですが、いままさに進行している事態について、具体的な議案の提出がないところで国会を開いておくことにあまり意味があるとは思えません。野党が直近で求めていたのも予算委員会の集中審議です。集中審議では、政府に質問することはできても新たな対策を打ち出すことはできません。質疑で「こういう対策をやってくれ」と訴えて、政府が「やります」と言えばそういうこともできるかもしれませんが、おそらく質疑でいわれて「やる」と即答できるようなことは、もともと実施する予定だった対策である可能性が高いでしょう。

 国会はこれからやることや、すでにやったことを検証するのには向いていますが、進行中の事態に対して新たな手立てを打ち出すことには向いていないのではないでしょうか。

 ただ、野党にとって「国会を止めるな」というのに切実な思いがあることは事実です。政府が対策をとることで報道される与党と違い、国会が動いていなければ野党が目立つ場所はありません。国会が閉会中の野党は無力です。だからこそ、野党にとっては国会が開かれていなければ困るのです。

 ここまで書いて気づきましたが、国会が開かれてないと緊急事態宣言を出すのは難しくなるのかもしれません。緊急事態宣言を出す前と解除する前に国会で事前報告を実施したからです。法的に事前報告は必ずしも必要でないのかもしれませんが、前例になったことから今後も事前報告をする原則になるのではないかと思います。もしかしたら、「国会を止めたら緊急事態宣言を出しにくくなるぞ」という主張をしていた議員もいるかもしれません。


2019年度補正予算審議開始へ


■2019年度補正予算、1月28日衆議院通過の見込み

 2020年1月26日現在。

 先週、1月20日に通常国会が召集されました。

 通常国会は3月まで予算審議に全力を注ぎます。今回は、2019年度補正予算案の審議もあります。補正予算案の審議のあと、2020年度予算案の審議に入ります。

 報道によると、自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長は1月28日に補正予算案の採決を衆議院で行うことで合意したそうです。例年、補正予算の審議は衆議院2日、参議院2日なので、与党にとって悪いペースではありません。召集日も昨年より一週間ほど前倒しになっており、野党に集中審議をプレゼントする余裕もあるようです。

20200126予算審議