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安倍総理辞任表明後の国会の動き


2020年8月30日現在。

 28日、安倍総理大臣が辞任を表明しました。近いうちに安倍内閣は総辞職し、国会で新たな総理大臣が指名されて、新しい内閣が発足します。

 内閣総理大臣に指名されるのは、国会の首班指名選挙で過半数の票を獲得した国会議員です。首班指名選挙を行う必要上、9月に臨時国会が召集されるのは確実な情勢です。はからずも、野党が要求していた国会の早期召集は実現することになりそうです。

 首班指名選挙で投票される国会議員は、各政党で一本化されます。ひとつの会派から複数の国会議員に票を投じられるようなことは、普通起こりません。普段ならば、議員は自分が所属している政党の党首に一票を投じます。しかし、安倍総理は総理大臣だけでなく自民党総裁も辞任するはずで、自民党としては首班指名選挙の前に安倍総裁に代わる新たな党首を選ばなければなりません。

 そのため、自民党総裁選の後、臨時国会を召集、首班指名選挙、新内閣発足、という流れになると思われます。新内閣発足の後は、国会で新総理による所信表明演説と代表質問も行われるはずです。新総理と野党党首の対決がここから始まります。

 ところで、衆議院議員の任期が残り一年に迫っており、ただちに衆議院を解散するのではないかという観測もあるようです。解散する場合は、新内閣を発足した後に、新しい総理大臣が衆議院を解散することになると思われます。このケースでは、選挙の結果にかかわらず、選挙後に発足したばかりの新内閣が総辞職するという変なことになります。

 新総裁を選んだ後、首班指名選挙を行う前に解散すれば、新内閣がすぐ総辞職することを避けられます。ただし、辞任を表明した総理大臣が衆議院を解散することになってしまいます。辞任する総理大臣が国政に新たな動きを発生させることは避けるべきで、安倍総理が残りの任期で解散することはおそらくないでしょう。