■獣医学部新設問題の閉会中審査についての疑問
2017年8月6日現在。
先月7月に、加計学園の獣医学部新設に関する件の閉会中審査が行われました。衆議院では、内閣委員会と文部科学委員会の連合審査会と予算委員会で行われました。
友人から、「予算委員会は国政に関するあらゆることについて審議できるので違和感はないが、内閣委員会と文部科学委員会が特に法案もないのに閉会中審査をできるのはなぜだ」という質問を受けました。確かにわからなかったので、調べました。
■国政調査権
国会は各委員会で予算や法律、条約について審議します。また、各委員会が所管している事柄について調査をする権利があります。これが国政調査権です。
調査する際は、事情をよく知っている人を委員会に呼び寄せて話して貰うこともできます。証人喚問や、参考人招致によって行います。
■国政調査も閉会中審査できる
国勢調査権を行使するため、委員会は調査する案件を会期の初めに議決しています。例えば、衆議院の文部科学委員会では「文部科学行政の基本施策に関する件 」について調査することを決めています。会期中は、この「文部科学行政の基本施策に関する件」で獣医学部新設に関する問題を扱っています。
そして、文部科学委員会は会期末に「文部科学行政の基本施策に関する件」について閉会中審査をすることを決めています。
つまり、獣医学部新設に関する話題を扱ったのははこの「文部科学行政の基本施策に関する件」についての閉会中審査だったわけです。閉会中審査というより、閉会中「調査」と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。
ちなみに、予算委員会の閉会中審査は「予算の実施状況に関する件」として行われています。
■連合審査会
文部科学委員会が閉会中審査できたのはわかりましたが、内閣委員会はどう関係してくるのでしょうか。
今回、内閣委員会が文部科学委員会に申し入れる形で連合審査会として獣医学部新設について調査しています。連合審査会では、関連する案件について他の委員会と一緒に審査することができます。
獣医学部の新設に関する件は文部科学省だけでなく、国家戦略特区を進めている内閣府も絡んできます。そのため、文部科学委員会と内閣委員会の合同審査会となったのだと思います。
参考文献: