月別アーカイブ: 2018年10月

補正予算の審議を短くしたい理由


与党が衆議院予算委員会の集中審議を後にまわしてでも補正予算案の質疑を短くしたい理由はなんでしょうか。

予算審議の最初と最後は質問があろうがなかろうが、すべての大臣が出席することになっていることと、予算審議が終わるまでは法案審議を進めない慣例になっているため、予算審議が長引くと提出した法案審議の開始が遅れてしまうからです。

今回は提出した法案を絞っていることもあり、提出した法案を確実に成立させるため補正予算案の審議を短くしたかったということです。

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衆院での補正予算案の質疑は2日間に


衆議院予算委員会での補正予算案の審議を31日に趣旨説明をしたうえで、11月1日と2日の2日間質疑を行って採決することで与野党が合意したという報道が出ています。

補正予算案の審議については、立憲民主党の福山幹事長が「最低でも3日は必要」と主張していました。

今回の合意内容、趣旨説明を含めると審議は3日です。ただ、福山幹事長は「与党が1日で審議を終わらせると言ってる」という趣旨のこともあわせて述べています。委員会の議案の趣旨説明を行う日は、その議案の質疑を行わないという慣例があるため、補正予算案のすべての審議を、1日で終えることは考えづらいです。

つまり、福山幹事長は最低目標を交渉で達成できなかったようです。福山幹事長の発言が事実ならば、与党も質疑を2日することになったので与野党引き分けというところでしょうか。

とはいえ、質疑1日で補正予算案の審議を終えるというのは明らかに盛りすぎな要求であるため、与党のブラフであると考えられます。

別途、総理大臣が出席する予算委員会の集中審議を行うことも確認されているため、トータルでは野党の言い分も通っていると言えるかもしれません。

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審議拒否をどう評価するか


審議拒否を「サボり」だとする批判があります。

とはいえ、審議が進むということは採決にむかうということであり、採決になったら野党に勝ち目がないことは明白なので、審議の進行自体に疑いがあるときは、審議拒否することはある意味で権利です。自民党も野党時代は審議拒否をしました。

問題は審議拒否それ自体ではなく、審議拒否をすることで目的を達成できたかどうかです。

話題になった5月の連休を挟んだ野党の審議拒否の場合、当初の審議復帰の条件に麻生財務大臣の辞任があったのですが、それは実現せず、働き方改革もカジノの法案も成立してしまったため、目に見える成果はありませんでした。

ただ、成立したどちらの法案も採決が延びたり、総理大臣が出席する予算委員会の集中審議が行われたりと与党が譲歩したので、なんの成果もなかったわけではありません。

野党の審議拒否の評価は、この事実をどう評価するかということだと思います。

与党が国会正常化に対し何もしなかったというのならば、野党の審議拒否は無駄なパフォーマンスだったということになりますが、事実はそうではないのだと思います。

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マニフェストの効果


マニフェストを掲げて政権交代を果たした旧民主党政権が崩壊してから、マニフェストという言葉をあまり聞かなくなったような気がします。

マニフェストは効果があったのではないかと思っています。なんの効果かというと、公約を検証することができるという効果です。いまだに、旧民主党政権の失敗として、「マニフェストに書いてあることは達成できないか中途半端な結果になり、マニフェストに書かれていないことをやった」と新聞記事に書かれていることが検証できるという効果を示しています。

ですから、有権者はともかくとして、政治家が単にマニフェストは失敗だったというのは、「今後は自分たちの行動を検証されたくありません」という意味ではないかと悪くとってしまいます。

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所信表明演説は2度する


24日に召集された臨時国会。安倍総理は召集日に所信表明演説を行いました。

実はこの演説、同じ日に2回やっています。衆議院で1回、参議院で1回です。文面も全く同じものです。

衆議院と参議院はそれぞれ独立した存在だという建前からそうしていると思うのですが、日本と同じ二院制の国がすべて政府を代表する演説を2回行なっているわけではありません。

たとえば、イギリスでは議会の開会式で女王が政府の施策を貴族院で一度だけ演説します。貴族院に議席を持たない首相をはじめとする庶民院の議員も貴族院に行き演説を聞きます。

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重要広範議案とは


24日の新聞に、自民党の森山国会対策委員長が今国会で審議する予定の入国管理法改正案を「重要広範議案」に指定しない方針を示したという記事がありました。

重要広範議案に指定されると、その法案は委員会に付託される前に本会議で趣旨説明を行うだけでなく、必ず総理大臣が趣旨説明に対する質問に答えなければなりません。

与野対決となるものなど、重要な法案について指定されます。野党としては、総理の行動を縛るという意味を持ちます。

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国会が総理を縛るのか、総理が国会を縛るのか


国会の冒頭で行われる総理大臣の演説に対する代表質問は総理が答弁する必要があるのは当然に思います。

ですから、総理が国会に出席できなければ代表質問が行えないというのもわかります。

また、国会が行政を牽制するために、必要な時に総理に出席を求めることができるのは重要だと思います。

ただ、です。ただ、「総理がいないので国会は何もできません。総理はけしからん。国会をないがしろにしている」というのは、ちょっと待ってほしいと思います。

総理が何をしようが、国会は国会で自律的に動かなければなりません。「総理がいないから国会は止まる」というのでは、総理が国会に縛られているのか、国会が総理に縛られているのかわからなくなります。

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代表質問は10月29日から


明日10月24日から臨時国会が始まります。

明日は開会式と、安倍総理の所信表明演説が行われます。

慣例通りだと所信表明のあと1日おいた26日から衆議院と参議院で所信表明演説に対する代表質問が行われます。

しかし、今回は総理の訪中と重なっているために来週10月29日から行われるようです。

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質疑終局の動議を委員長の不信任動議で1ターン遅らせた例


今年の7月17日に行われた衆議院倫理選挙特別委員会で、与党議員が質疑を終局、討論を省略して参議院の定数増を含む公職選挙法改正案の採決を行う動議を提出した直後に、野党議員が委員長の不信任に関する動議を提出して質疑終局の動議を少しだけ先延ばしするという場面がありました。

委員長の不信任に関する動議は、委員長の解任決議案とは違い本会議の採決まで行かないので委員会を中断する力はもたないようです。

不信任に関する動議を提出された委員長は、与党理事に委員長席を譲り、動議の採決までの委員会の指揮を委ね、不信任動議が否決されたのちに委員長席に戻って質疑終局の動議の採決と法案の採決を行いました。