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2022年度予算審議の状況


 2022年1月30日現在。

 2022年度予算案の審議が衆議院で行われています。報道によると、1月31日と2月2日に集中審議、2月4日に参考人質疑を行うところまで与野党合意ずみとのことです。

 集中審議というのは総理大臣とテーマに沿った大臣に質問できる審議の種類です。総理大臣は常に予算委員会に出席するわけではなく、予算審議の冒頭で行われる基本的質疑と、この集中審議、そして予算案採決の前に行われる締めくくり質疑に出席することになっています。

 総理大臣が出席する審議は、総理に質問できるだけでなく、テレビ中継も入ります。野党にとっては政府への対決姿勢を国民に示す絶好の舞台になります。

 2月4日まで休みなく予算審議があるとすると、以下のような日程になります。

2022年1月審議実績と予想
2022年1月審議実績と予想

 衆議院の予算審議は大体16日前後になっており、このペースでいけば2月14日の週にも予算案は衆議院を通過しそうです。


特措法改正案により、本予算の審議開始がいつになるかに注目!


 2021年1月5日現在。新型コロナウイルスの感染者増大にともない、緊急事態宣言が明後日7日にも発出されるかもしれないという報道が出ています。

 さて、報道によると今月18日に召集される通常国会冒頭で、新型コロナウイルスに対応する特別措置法改正案を審議することで与野党は合意しています。これは異例なことです。

 例年、通常国会では来年度予算案が成立するメドが立つまでは、予算案と予算に関する法案以外は審議しないからです。なぜなら、来年度予算案を3月末までに成立させるために予算審議が優先され、大臣が予算委員会にはりついてしまい、他の委員会に出席できないためです。

 今朝の読売新聞や日経新聞の朝刊には、自民党の森山国会対策委員長が特措法改正案を2月初旬までの成立をめざす意向を示したと書かれています。「初旬」というと2月10日くらいまでという感じでしょうか。

 すでに次の通常国会では2020年度の第三次補正予算案を審議することが決まっています。特措法と補正予算のどちらを先に審議するのかは決まってないようです。仮に、補正予算から審議する場合は、来年度予算案(以下、本予算)の衆議院通過までのスケジュールは以下のようになります。

2021通常国会1月予想
2021通常国会1月予想
2021通常国会2月予想
2021通常国会2月予想
2021通常国会3月予想
2021通常国会3月予想

 この予想の前提は以下のとおりです。

  • 施政方針演説から衆議院の代表質問の1日目までは慣例どおり1日あける。
  • 補正予算案は衆参で2日ずつ審議する。
  • 補正予算案の成立後、休みなく特措法改正案を審議する。
  • 特措法改正案は付託された委員会で連日審議する。
  • 特措法改正案は衆参で3日ずつ審議する。
  • 1月28日は木曜日で参議院本会議の定例日(月水金)外だが開かれる。
  • 本予算の審議は2月26日以外は休みなく行われる。(2月26日は財務大臣がG20を優先し、予算委員会に出席しないと考える)

 カレンダーで示した通り、特措法の審議により本予算が割りを食って審議開始が遅れます。本予算は14回の予算委員会の審議を行い3月2日に採決と書きましたが、これは予算審議が現在の形式になった2000年以降で最速タイ記録になります。衆議院通過を3月2日にしたのは、この日までに本予算が衆議院本会議で可決されないと、憲法の自然成立の規定を使って3月31日までに確実に予算を成立させることができないからです。

 この想定は、政府与党にとって非常に厳しい日程になります。特措法改正案の審議が衆参で2日ずつになると、3月2日までの本予算の審議を+2回することができ、16回分の審議を確保できます。昨年の特措法改正案は衆参で2日ずつで成立しており、可能性はあります。

 しかし、昨年とは違い、今回の特措法改正案には休業要請に従わない事業者への罰則規定を設けるかもしれないという話も出ています。罰則規定については与野党で態度が異なり、昨年よりも審議が長引くと考えたほうがよいと思います。

 来週の1月13日と14日に衆参両院の内閣委員会で閉会中審査を実施することで与野党は合意しています。ここで特措法改正案の内容に関わる事柄について議論することができ、与党が野党を納得させられれば前倒しで審議したのと同じ状況を作り出せるかもしれません。

 今後の国会の日程としては、本予算の審議開始がいつになるかが注目です。スタートが9日以降になると、政府与党にとってかなり厳しい日程になります。


2019年度補正予算審議開始へ


■2019年度補正予算、1月28日衆議院通過の見込み

 2020年1月26日現在。

 先週、1月20日に通常国会が召集されました。

 通常国会は3月まで予算審議に全力を注ぎます。今回は、2019年度補正予算案の審議もあります。補正予算案の審議のあと、2020年度予算案の審議に入ります。

 報道によると、自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長は1月28日に補正予算案の採決を衆議院で行うことで合意したそうです。例年、補正予算の審議は衆議院2日、参議院2日なので、与党にとって悪いペースではありません。召集日も昨年より一週間ほど前倒しになっており、野党に集中審議をプレゼントする余裕もあるようです。

20200126予算審議


予算案がなくても予算委員会は開ける


■臨時国会3週目

2019年10月20日現在。

臨時国会3週目は参議院予算委員会から始まりました。猛威をふるった台風19号通過直後でもあったため、10月15日の予算委員会の冒頭は台風関連の質問から始まりました。

予算委員会と言うと、文字通り国のお金の使いみちを決める予算を決めるための委員会です。ですが、今国会では補正予算案は提出されておらず、決めるべき予算案はありません。では、予算委員会は何を話し合うために開かれたのでしょうか。

■今回の予算委員会の議題は「予算の執行状況について」

今回衆議院と参議院で行われた予算委員会の議題は、「予算の執行状況について」というものでした。予算委員会として、予算がちゃんと執行されているか、新たに予算をつけなければならない案件はあるか、などを政府に確認するための話し合いということですね。

とはいえ、「予算の執行状況の調査」というのは名目に過ぎないでしょう。実際のところは、与野党の議員に、内閣改造後の安倍内閣の閣僚に質問する機会を与える、というのが今回の予算委員会の目的でしょう。

ですから、総理大臣と特定の大臣だけが出席する集中審議ではなく、全閣僚が出席する基本的質疑が行われたのだと思います。

予算委員会での質疑は、予算案がなくともやろうと思えばやれるということがわかります。唯一必要なのは、与野党の合意のみです。


【2019通常国会】2019年度予算案の衆議院での採決で、なぜ深夜国会になったか


■2019年度予算案の衆議院本会議での採決は、3月2日の未明に

2019年度予算案は、2019年3月2日の午前0時40分頃に衆議院本会議で採決され可決しました。なぜ、午前0時をまわってしまったのでしょうか。

■もともとの予定

もともとの予定はこうです。

まず、衆議院予算委員会を3月1日の午前9時から開始して、3時間程度審議し、お昼までに採決します。

そして、午後から予算案と同時に採決する必要がある、税制改正法案を総務委員会と財務金融委員会で採決します。

これらの委員会の審議は1時間半くらいかかります。

このあと、本会議で2019年度予算案を採決します。

本会議での予算案の採決までは1時間半程度かかります。この場合は、3月1日の夕方くらいには予算案を採決できます。

■実際の動き—根本厚生労働大臣の不信任決議案提出で、午前中の予算委員会断念

実際はこうです。

まず、予算委員会が3月1日の午前9時から開始できませんでした。理由は、予算委員会の開始直前の午前8時40分に立憲民主党などの野党が根本厚生労働大臣の不信任決議案を提出したためです。

この日の予算委員会は全大臣が出席する締めくくり質疑が行われる予定になっていました。不信任決議案を提出した野党としては、信任に値しない大臣が出席する予算委員会の審議に応じられないということで、予算委員会の理事会を欠席しました。立憲民主党などが欠席するなか開かれた予算委員会の理事会で、午前9時から審議を行うことを断念し、根本大臣の不信任決議案が採決されてから審議を行うことが決まりました。与党が譲歩したわけです。

「それなら午前中に不信任決議案を採決すればいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、そうはいきません。根本大臣の不信任決議案の採決は本会議で行う必要があります。本会議の議事日程は、あらかじめ決めておく必要があるため、急に開くことは難しいです。3月1日は、すでに午後1時から本会議を開くことになっていたため、根本大臣の不信任決議案は午後1時以降にならなければ採決されないことになりました。これで、午前中を予算審議に使うことができなくなりました。もちろん、立憲民主党などの不信任決議案提出は、この予算委員会の開始を午後に遅らせるのが狙いです。

■午後、本会議開会

午後1時に本会議が開会し、根本厚生労働大臣不信任決議案を上程する動議が出され、不信任決議案の審議が始まりました。本会議で審議する案件は議事日程と同じくあらかじめ決められていて、決められた議事日程通りに会議を進めていかなくてはなりません。ですから、議事日程が決まったあとに出された議案を本会議で審議するには、議事日程を追加する動議を出す必要があるのです。

根本厚生労働大臣の不信任決議案ですが、採決が終わったのは午後4時過ぎです。なぜそんなに時間がかかったのかというと、採決に先立って行われた討論で、立憲民主党の小川代議士が持ち時間を大幅にこえて2時間近く演説したためです。不信任決議案の討論を申し出たのは小川代議士を含めて6人で、討論は全体で2時間36分でした。その後採決は記名投票という議員ひとりひとりが演壇まで歩いて投票するスタイルのものであるため、20分ほどかかっています。これが、不信任決議案に3時間かかった理由です。不信任決議案は否決され、本会議は休憩しました。休憩したのは、予算委員会を開くためです。

■午後5時、予算委員会始まる

本会議休憩後、午後5時から衆議院予算委員会が開かれました。予算委員会は総理大臣とすべての大臣が出席する締めくくり質疑、討論、採決が行われ、可決しました。この審議に3時間半程度かかりました。ここまでで、午後8時半です。このあと午後8時40分ごろからから総務委員会と財務金融委員会が開かれ、税制改正法案が審議されました。この2委員会が終わったのが午後10時ごろです。8時半から始業の会社なら深夜残業に突入する時間です。

■午後10時50分、本会議再開

午後10時50分ごろから本会議が再開し、予算案を上程する動議が出されました。やっと本会議で予算案が審議されます。この審議が1時間をこえても終わりませんでした。本会議中に午後12時を迎えてしまうことが明らかになったため、議長は午後11時50分ごろに残りの議事日程を20分後の3月2日午前0時10分から行う延会を宣告しました。

日付が変わって3月2日午前0時10分ごろ予算案の審議が本会議で再開され、午前0時40分ごろ採決・可決されました。

■びっしりの予定

ここまで書いていて実感しましたが、本会議が始まった3月1日の午後1時以降の予定はびっしりで、会議と会議の間は30分程度しか時間がありません。国会議員には体力も必要だということですね。

もともと予算案の本会議での採決までに、会議と会議の間を含めて8時間程度かかる関係上、不信任決議案を採決予定日の当日に提出して2時間の演説をした時点で、6時間分を上乗せすることが確定していました。

■深夜国会になった責任は与野党ともにある

結局、深夜国会は与野党合作です。政府与党は年度内自然成立を断念するか、もっと早く国会を召集して予算審議を始めれば深夜国会を避けられました。立憲民主党はそう主張しているようです。しかし、野党も3月1日採決を受け入れるか、根本厚生労働大臣の不信任決議案を2月28日より前に提出すれば、深夜国会を避けられたのです。根本厚生労働大臣の不信任決議案を3月1日の朝提出すべき合理的な理由は、採決を遅らせる以外に見いだせません。

すべてお互い様ですし、どちらも正しいです。どちらが良いかは、個々人で決めるしかありません。与党も野党も明らかなルール違反はありません。


【2019通常国会】予算審議第八週終了-2019年度予算成立


■2019年度予算成立

2019年4月1日現在。先週、3月27日の参議院本会議で2019年度予算案が可決し、2019年度予算案が成立しました。

■締めくくり質疑から本会議採決までの流れ

3月27日は、まず参議院予算委員会で2019年度予算案の「締めくくり質疑」が行われました。締めくくり質疑は予算審議の最後に行う質疑で、総理大臣をはじめ、すべての閣僚が出席します。普段の質疑では、答弁を要求されている大臣しか委員会に出席しないので、政府にとっては大変な会議です。しかし、予算が成立しなければ新しい事業は何ひとつできないので、背に腹はかえられません。

締めくくり質疑が終わると、つぎに「討論」が行われます。討論と言っても、予算委員同士で議論することはありません。予算委員のうち各会派を代表した議員が予算案について賛成/反対とその理由を順番に述べるだけです。

討論が終局すると、ただちに採決します。委員会での採決は、本決まりではなく、あくまで「委員会審査で可決すべき/否決すべきと決した」ものにすぎません。最終決定は、全議員が一堂に会する本会議の採決で行われます。

2019年度予算案は予算委員会で採決した当日の本会議に「緊急上程」され、本会議の議題にのぼりました。本会議では、委員長による審議経過の報告と「討論」(委員会の討論と同じ形式です)が行われ、採決されました。

参議院では深夜国会になることもなく、日中に採決されました。予算は年度末を前に余裕をもって成立していますので、今回の予算審議は政府与党の思惑通り進んだと言えるでしょう。 Screenshot


【2019通常国会】予算審議第七週終了


■2019年度予算案は3月27日成立か?

2019年3月24日現在。2019年度予算審議は大詰めです。与野党は25日の参議院予算委員会での集中審議に続き、26日の一般質疑、27日の締めくくり質疑の開催に合意しています。報道によると、与党は当初26日の締めくくり質疑を提案したそうですが、野党に配慮し27日に延ばしたとのことです。

予算委員会では、締めくくり質疑が行われた日に、予算案について討論と採決が行われます。また、予算委員会で予算案を採決した場合は、その日のうちに本会議で採決されることが多いです。

■緊急上程

さて、本会議を開く日時と議題(案件)は、事前に全議員に周知し官報に掲載するルールになっています。このとき、まだ委員会で採決されていない案件を本会議の議題にすることはできません。例えば、2019年度予算案は事前に周知される27日の参議院本会議の日程に日程に上がらないことになります。それでは早く本会議で採決して予算案を成立させたい与党は困ってしまいます。

そこで「緊急上程」という技が使われます。本会議の開会後、議員から「議案上程に関する緊急動議」が提出され、本会議中に議題を追加して審議を進めるのです。

動議とは予定された議案以外の案件を議題にすることです。この場合は、「いま本会議で、この議案について審議することを望む」というのが動議です。

本会議中に議題を追加することで、本会議当日に採決された議案を本会議で採決することができます。「緊急上程」という言葉が出てきたら、「その日のうちに委員会の採決と本会議の採決をやるんだな」と思えば間違いないです。

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【2019通常国会】予算審議第六週終了


■参議院の予算審議も残りわずか

2019年3月17日現在。予算審議は第六週目を終えました。すでに参議院では予算案の採決の前提となる中央公聴会を終えています。残るは、衆議院での分科会に相当する委嘱審査と、締めくくり質疑、そして討論・採決です。

来週の予定は、18日の集中審議、19、20日の委嘱審査まで決まっています。自然成立の期限もありますし、25日週での採決・成立は確実な見通しです。

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【2019通常国会】予算審議第五週終了


■3月11日の予算委員会はなし?

2019年3月10日現在。2019年度予算案の参議院での審議が始まって一週間たちました。この間、不正統計に関する特別委員会の樋口委員長が立憲民主党の福山幹事長の質問にうまく答えられず審議が中断したり、横畠内閣法制局長官が野党議員の質問姿勢を皮肉ったとして参議院予算委員長に厳重注意されたりしました。

参議院インターネット審議中継によると、明日11日は予算委員会を開く予定になっていないようです。2月4日から始まった予算審議で、初めて予算委員会がない平日になります。

気づけば、ここまでずっと平日は予算委員会をやっていました。とくに野党と交渉しなくても連日審議できるのが、予算委員会や特別委員会の強みです。他の委員会だと毎日どころか、定例日外に開くだけで大騒動になったりします。

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【2019通常国会】参議院の予算審議、中央公聴会の日程まで決まる


■参議院の予算審議開始

2019年3月5日現在。2019年度予算案の参議院での審議が昨日4日から開始しています。本日は2日目の基本的質疑でした。基本的質疑とは、予算審議の最初に行われる、総理大臣とすべての大臣が出席する審議です。通常の予算審議である一般質疑では、財務大臣と答弁を要求された大臣だけが予算委員会に出席するのですが、基本的質疑では答弁を要求されていない大臣も全員出席する慣例になっています。ですので、基本的質疑は特別な意味があります。

参議院の予算審議の日程は、12日に採決の前提である中央公聴会を実施するところまで与野党合意しています。衆議院では、中央公聴会が実施されたあと、3日で採決されました。参議院でもそうなるとすると、15日に採決となります。そうなると、参議院での採決までの予算委員会実施回数が10回となるので、衆議院の7割くらいの審議時間になってしまうので、もうちょっとやるのではないでしょうか。そうでないと、超与党ペースで審議が進んだことになります。

2017年の予算審議で、参議院で中央公聴会を実施したあと予算委員会で質疑を8日行って自然成立ギリギリで採決した例があるため、12日に中央公聴会を実施することで、すぐ採決するとは言えません。

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