内閣法制局は2つの仕事を担当しています。ひとつは各省庁で立案し、内閣で提出する法案などの審査。もうひとつが、法律の解釈について総理大臣などに意見を述べることです。
法案の審査を審査事務と呼びます。憲法や既存の法律との関係、立法の目的の妥当性と法律がその目的達成に役立つかどうかなどから、全体的な用語、言い回しの統一などまでありとあらゆる観点で検討します。
意見を述べることを意見事務と呼びます。各省庁で法令について疑義があったり解釈に争いがあったとき、法制局に意見を求めることになるそうです。内閣法制局長官が国会審議で憲法解釈を答弁するシーンがありますが、あれも意見事務のひとつです。この法制局長官の国会答弁は、「憲法の解釈を官僚が握っているのは政治主導じゃないんじゃなかろうか」ということで、民主党政権発足後廃止されていました。ただ、今年の通常国会から復活することにしたようです。
内閣法制局は第一部、第二部、第三部、第四部と長官総務室で構成されています。第一部が意見事務を担当し、第二部から第四部までが分担して審査事務を担当しています。トップは法制局長官。ナンバー2は法制次長です。