2012年8月31日現在、日本経済新聞の朝刊に、中国共産党の次期幹部がほぼ内定したという記事がありました。中国共産党も、以前とりあげた日本共産党と同じく、マトリョーシカのような指導構造になっています。(https://ryoichiinaba.jp/rlog/2012/08/post-14.html)
日本共産党における、党大会-中央委員会-幹部会-常任幹部会という組織図は、中国共産党における、全国代表大会-中央委員会-中央政治局-中央政治局常務委員会という仕組みによく似ています。やはり、左端の機関が休会中は、右の機関が代行するという形になっています。
さて、どうしてこのような仕組みになっているのでしょうか。立花隆『日本共産党の研究(二)』(講談社文庫)では、組織には「規模の限界」があるためだとされています。
どんな組織でも、ある一定の人数(十数人から二十人程度)を超えるとうまく機能しなくなります。これが規模の限界です。この限界にぶち当たった組織は、自らを分割して上部組織を作らざるを得ないのだそうです。
この見方が正しければ、中央委員会が多くなりすぎたので幹部会を作り、幹部会も多くなってきたので常任幹部会を作ってきたということで、最初から意図して作られた組織図ではないようです。
参考文献:立花隆『日本共産党の研究(二)』(講談社文庫)