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2023年度予算審議が始まる


 2023年1月29日現在。

 明日1月30日より、衆議院で来年度予算案の審議が始まります。

 現時点で決まっている日程は、岸田内閣の全大臣が出席する基本的質疑を1月30日から2月1日までの3日間開催することだけです。

 例年ですともうちょっと先の予定まで決まっていたりすることもありますが、のっけから与野党が揉めており、2月1日以降の予定は白紙の状態です。

 報道によると、この予算委員会での与野党の質問時間の配分で揉めています。与党側が「与党30%:野党70%」の配分を提案したところ、野党側が70%では少ないから75%にすべきと反発しているそうです。

 この点で与野党の折り合いがつかず、予算委員長が職権で基本的質疑の日程を決めました。これについて、野党は強引な委員会運営であると批判しています。委員長は委員会の日程を決める権限がありますが、慣例により日程を職権で決めず、与野党合意のうえで決めることになっているためです。

与党の質問時間の割当が少ない理由

 予算委員会に限らず、議席の配分に合わせて質問時間を決めると、与党の質問時間の割当が野党より多くなるのは当然です。与党は野党よりも議席数が多いからです。

 ただ、与党側は議案を国会提出する前にある程度与党内で議論を済ませており、委員会で質問することがあまりないという事情もあって野党側に多めに質問時間を配分しています。

 この国会提出前の与党内の議論を、事前審査制といいます。与党の事前審査制は国会での議論の回避につながっており、国会審議を空洞化させるという批判がありますが、与野党の質問時間の配分という点でいえば、野党に利益がある制度といえます。

 政府の仕事に直接関与できない野党は国会で質問する機会でもなければ世論にアピールするチャンスがないからです。