■「妊婦加算」凍結で動いた小泉厚生労働部会長
12月14日の読売朝刊に、妊婦が医療機関を受診した際に負担する「妊婦加算」について、厚生労働省が運用を凍結する方針を固めた、という記事が出ていました。この「妊婦加算」のニュースに関しては、自民党の小泉厚生労働部会長の名前がよく出ていました。実際、小泉構成労働部会長と厚労省幹部の協議のなかで、妊婦加算の凍結を確認したと報じられています。なぜ自民党の厚生労働部会長は厚労省の政策に影響を与えることができるのでしょうか。
■法案を国会提出前に審査する自民党政務調査会
厚生労働部会は自民党の政務調査会の一部門です。自民党内の組織なので、法律に裏付けのある組織ではありません。しかし、政府に与える影響は小さくないです。なぜなら、政務調査会の各部会の役割は、政府が国会に提出する予定の法案を事前に審査することだからです。各省庁が出した法案が部会でダメ出しをされて審査が進まないと、自民党政権のルールでは、その法案が閣議決定されて国会に提出することはできなくなってしまいます。このルールを事前審査制と言います。
■厚生労働部会は、厚労省の法案の運命を左右する
法案の事前審査制により、厚生労働部会は、厚労省の提出する法案の生殺与奪を握っています。厚生労働部会の意見を厚労省が無視できないのは、そういう事情があるためです。