野党共闘は、選挙協力のみでは不十分


■反対の仕方も足並みが揃わない野党。政権運営は大丈夫?

今週閉会した臨時国会の終盤では、野党第一党立憲民主党と第二党国民民主党の足並みの乱れが見られました。

政府与党に反対するというだけのことなのに足並みが揃わないということは、反自公で選挙協力して政権交代を果たしたとしても、政権運営の方針で調整がつかずに混乱するであろうことは目に見えてます。

■野党共闘が成功しても、政府与党を支持する有権者が過半数になるとは限らない

これは、反自公で選挙を戦った政党の支持者にとって不幸なことです。自分が支持した政党の意見が、連立政権内の政治力学により通らないということになるからです。また、混乱してるために結局現状維持となり、何も変わらない可能性もあります。そうすると、真に政府与党を支持してるのは有権者の数十パーセントという状態になります。

「いまの与党に投票している有権者が過半数でないようだから、野党共闘で選挙を乗り切ろう」といって選挙に勝利したとしても、樹立した政権の政策に賛成する有権者が今よりも減る可能性だってあるのです。

■選挙協力だけでなく、政策決定のルール化を!

とはいえ、与党自民党にしてもすべての議員が同じ考えではありません。しかし、自民党は党内で政策を議論し、決定するルールがあるので、ある程度統制された行動を国会でとれています。

この自民党による政府法案の事前審査制は、国会審議の形骸化をまねいているという批判がある反面、多様な意見を持つ議員を与党としてまとめあげているという効果があります。

ですから、野党共闘もただの選挙協力ですまさず、政権交代後の政策(法案)決定のルールまで策定しなければならないと思います。そうしなければ、野党共闘は選挙で負けすぎないようにしようという現状維持の試みになるでしょう。

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