ルールは大切です。ルールを把握していなければ何もできません。とはいえ、ルール通りに物事が決まるというわけでもありません。ルールに則れば負けないはずの人が負けてしまうことがあります。どういうケースでしょうか。
ルール違反をされるケースを除けば、負けないはずの人が諦めてしまうケースが考えられます。政治で言えば、クーデターや暗殺される場合がルール違反をされるケースです。負けないはずの人が諦るケースは、首相が解散を諦めるケースなどが挙げられます。
2012年末の野田首相による解散を思い出せば分かる通り、どんなに与党(当時は民主党)が反対しても、首相が決断したら誰も止められないのが解散です。だからこそ、解散は首相の専権事項なのです。
それでも、解散を望みながら解散できなかった首相は何人かいます。解散を諦めた理由は様々です。総辞職した方が有利になると側近に説得されたとか、閣僚に反対されたとか、新しい選挙制度に切り替わる前だったとか。どのような理由にせよ、解散が不可能になるようなものではありません。そのようなルールは今のところ存在しません。結局、諦めてしまったわけです。
ここに、劣勢な陣営が勝つための方法がひとつ見いだせます。それは、優勢な陣営がみずからの主張を通すことを諦めさせれば勝てるということです。そのために優勢な陣営の気勢をそいだり、なだめたり、脅したりすることが有効な手段になります。
もちろん、優勢な陣営が楽に勝つために、うるさい相手陣営を諦めさせるという場合もあります。