日別アーカイブ: 2014年1月12日

ねじれ後も参議院は政府・与党の障壁になる


 2014年1月12日現在。昨年の臨時国会召集後に、衆議院総選挙と参議院選挙での民主党の惨敗にともなう野党の多党化や、参議院での共産党の議席増によって与党の国会運営が困難になるのではないかという予想を立てました。

 その予想は見事に外れました。共産党は、せっかく理事ポストを得た参議院議院運営委員会で国家安全保障局や特定秘密保護法のことばかり発言していて、力を入れているはずの福祉政策に対する言及はわずかでした。自党が提出した法案を審議するための運動を起こした気配も感じられませんでした。目に見えるレベルでは、まったく国会運営に影響を与えていません。

 多党化にいたっては、単に野党の足並みが揃わないだけで、むしろ与党に有利に働いた印象さえうけました。日本維新の会とみんなの党は与党と協議して特定秘密保護法の修正にこぎつける一方、民主党は与党との修正協議で合意にいたらずに議事妨害戦術にシフトするという具合で、野党内の合意がとれなくなっています。

 ただ、ひとつ収穫があったのは、参議院の強さを改めて認識したことです。昨年の参議院選挙で自公で過半数を確保したため、ねじれは解消されました。解消されましたが、野党の構成で民主党が圧倒的な野党第一党として君臨しているためか、参議院での野党の抵抗は衆議院よりは足並みが揃っているように見えました。

 参議院での野党のあまりの抵抗に、与党はかなり強引な国会運営をし、会期の延長まで求めたほどです。まぁ、もともと窮屈な日程だったといえばそうなのですが、与党の思い通りにいかなかったのは確かです。

 与党、というより政府の行動に一定の歯止めをかけるために参議院は必要です。たとえ、ねじれが解消されたとしても、それだけの力を参議院は持っているのです。