2014年1月8日現在。昨年から国会に関する制度や慣例を見直し、国会運営を改革しようという動きがあります。
国会運営改革の主な狙いは、首相や大臣が国会に出席しなければならない回数を減らし、その分の時間を使って政府の仕事(各省庁の仕事)をしたり、海外に出かけて各国と交流したりしようというものです。
与党、というより政府としては、これが実現するとうれしいのですが、野党としてはそうはいきません。首相や大臣の国会出席の頻度が減ると、その分、野党が首相や大臣に直接質疑する頻度も減るからです。
与党は野党を説得するために、野党も喜ぶような国会運営改革案をいくつか入れています。その中に、提出法案を即時付託して、野党が提出した法案を含めた議員立法を積極的に審議するというものがあります。
野党が提出した法案は、なかなか審議されることがありません。政府が提出した法案がどうしても優先されてしまうので、審議する時間がなかなかとれないからです。例えば、昨年の臨時国会で共産党が参議院に提出した「労働基準法等の一部を改正する法律案」は一秒も審議されませんでした。審議どころか、審議の前提となる法案の委員会付託すらされていません。
そんな現状ですから、提出法案を即時付託し、議員立法を積極的に審議するという方針をとることは野党にとって意味があります。ただ、提出法案の即時付託は、野党にとって諸刃の剣になる可能性があるので、野党がすんなり賛成するかどうかわかりません。