日別アーカイブ: 2018年12月22日

通年国会という提案の狙いと現状


■会期制があることでどうなっているか

2018年12月20日のNHK NEWS WEBに次のような記事がありました。

国会改革をめぐって、国民民主党は、審議を充実させるため、会期を定めず1年中、国会を開くことができる、いわゆる「通年国会」への移行などを求める中間報告の案をまとめました。

『国民「国会は会期定めず通年国会に移行を」 | NHKニュース』

現在の国会は、事前に定めた期間だけ活動する会期制を採用しています。今年(2018年)は、1月22日に召集された通常国会が7月22日に閉会したあと、10月14日に臨時国会が召集されるまで国会は閉会していました。そして、12月10日に臨時国会が閉会したため、現在も国会は閉会しています。

■国会が閉会しているとどうなるか

国会が閉会しているというのはどういうことかというと、議案の審議や議決が行われないということです。議案の審議については、閉会中審査・継続審査の手続きをとれば閉会中も審議することができますが、本会議で議決することはできないようです。本会議で議案を議決できないということは、閉会中に法案が成立することはないということです。

会期制を採用することには、閉会中に国会が活動しないということの他に重大な効果があります。会期不継続の原則により、会期末を迎えると原則として審議未了の法案が廃案になることです。閉会中審査・継続審査を議決しない限り、法案提出からやり直しになってしまいます。

■通年国会という提案の狙い

会期制と会期不継続の原則があることで、野党は審議に協力しないことで政府与党の法案を成立させるペースを抑制するという戦術をとることができます。法案の中身でなく、審議の日程や採決の日程について争うことになるので、これを日程闘争と呼びます。

国民民主党の通年国会という提案は、会期を定めないことで日程闘争の効果を減らし、国会審議を充実させようというものです。