党首会談の遅れとノーベル賞


 2012年10月9日現在。臨時国会の召集時期などについて協議する、民主党と自民党の党首会談の時期が決まっていません。10月11日に両党の新執行部が顔合わせをし、そこで党首会談の具体的な内容、日程を詰めるものと思われます。

 ところで、政党の執行部というのは、党の代表である党首、党のマネジメントを行う幹事長、党の政策を統括する政調会長、議会運営に責任をもつ国対委員長等を指します。執行部には党首も当然入っているわけです。

 しかし、わざわざ新執行部の顔合わせの後に党首会談と言っているということは、11日の顔合わせに民主党代表(党首)の野田首相と自民党総裁(党首)の安倍衆議院議員のどちらか、または両方が参加しない可能性が高いのでしょう。もしくは、両者が参加したとしても話し合う気がないのです。

 どうせならわざわざワンクッションおかないで一気に党首会談もやってしまったほうがいいような気がします。何か止むを得ない事情があるのかもしれません。ただ、臨時国会召集には党首会談というステップが必要であるという機運、政治状況が作られているのは確かなので、党首会談が遅れれば遅れるだけ臨時国会召集は遠のきます。

 そんな悠長なことでいいのでしょうか。例えば、政府・与党のが臨時国会で成立を目指している特例公債法案の成立が遠のくことは、大学の運営費に影響を与えます。運営費がなくなるということは、研究費もまた、なくなるということです。

 折しも京都大学の山中教授がノーベル賞を受賞されました。iPS細胞の研究に関する費用に国のお金がどれだけ入っているのか、また、その費用が特例公債法案の成立が遅れることでどれだけ抑制されるのかはわかりません。ただ、特例公債法案の成立は世界の最先端の研究に影響を与える可能性があるのです。

 ちなみに、この研究に対する民間企業の支援の動きはあまり活発ではないようです。山中教授は5億円の寄付を求めていましたが、3億円しか集まらず、自らが京都マラソンに参加し、完走を宣言することでやっと1000万円の寄付を集めるという状況です。結局、国に費用の多くを依存せざるを得ないのです。

 話し合いには時間をかけるべきです。しかしまた、その場は国会でなされるべきです。国会での話し合いは議事録にのり、公開されるからです。速やかな臨時国会召集があることを望みます。

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