法案を人質に取るとは?


 2012年8月26日の新聞に、岡田副総理が、去年は菅前首相の辞職と引き換えに特例公債法を成立させ、今回は解散と引き換えに特例公債法案などを成立させると野党は考えているようだけれども、法案を「人質に取るようなやり方はいいかんげんにした方がいい」と発言したという記事がありました。

 しかし、このように副総理が批判しても口だけにすぎません。野党が法案を人質に取るようなやり方をするのは、そのように行動した方が合理的だからです。

 政府・与党は法案を成立させたい。逆に、野党は成立を阻止し、政権運営を行き詰まらせることで次の選挙で政権をとりたい。このような関係において、野党が参議院で過半数を持っていたら、参議院で政府・与党が提出する法案を片っ端から否決、もしくは審議しないのは当然の成り行きです。

 なぜなら、参議院の権限は非常に強く、首相の指名と予算案以外のほとんどの法律は、参議院で可決されなければ成立しません。参議院で否決されれば、衆議院は参議院に両院協議会という話し合いの場を設け、そこで落とし所を探るか、それもダメだったら衆議院において3分の2の賛成を得なければ法案を可決させるのは不可能になります。

 このことから、野党の行動は「制度上・慣習上認められた権利」であると言えます。制度で許されている行動だから、しているだけです。岡田副総理が本当に現状を憂慮しているのなら、国会法や憲法の改正や、なんらかの議会運営のルール作りを目指すべきです。ただ、政府が国会の運営に口を出すというのは、三権分立の観点から考えてあまりよくないでしょう。議会が政府のいいなりになってしまっては、行政を監視することが難しくなるからです。


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