2/28に採決すれば与党の勝ち、それを阻止すれば野党の勝ち


 2014年2月23日現在。今週の2014年度予案の審議は、2月28日の衆議院通過を目指す与党と、それを阻止せんとする野党の戦いになると思われます。戦いといっても、予算委員会で議論が戦わされるのではありません。そういう表の戦いではなく、日程を決める裏の戦いです。

 与党は、2014年度予算案が年度内に確実に成立して4月1日から執行できるよう、今月末28日の衆議院通過を目指しています。予算案が2月28日に通過すれば、参議院の予算審議が遅れて3月31日までに採決できなくなっても、憲法の規定により衆議院の議決だけで予算を成立させることができるからです。

 一方、野党は「28日採決では、例年より審議時間が短い。例年通り80時間以上審議すべきだ」と、28日採決に反対しています。確かに、今週までの予算審議時間は、およそ52時間です。一日あたり最大7時間程度審議するとしても、28日いっぱいまで審議して80時間になるかならないかというところです(7時間×4日(公聴会を除く))。

 早ければ明日には趨勢が決まると思うので、報道を注目していきたいです。


なぜ、継続審査になった法案が公報に掲載されているのか


 2014年2月22日現在。昨日は衆議院予算委員会の地方公聴会が行われました。インターネット中継されなかったようなので、現時点で審議時間は不明です。

 今週の衆議院は、予算委員会以外の委員会も開かれました。委員会審査の最初の一歩である、所管大臣の所信表明聴取とその質疑を行うためです。早いうちにこれをやっておかないと、本予算が衆議院を通過して、いざ法案審議!となったときに2日分時間を取られてしまいます。

 ところで、この委員会の開会を知らせる衆議院公報についてわからないことがありました。結果的には大臣の所信表明を聴いただけのようなのですが、当日の議題としてずらずらと法案の名前が挙がっていました。衆議院のサイトの「法律案等審査経過概要」で確認したところ、どうもその委員会で継続審査になったものが議題として掲載されているようです。

 どういう必要があって掲載されているのか、気になります。


日程予想に手応え


 2014年2月21日現在。昨日の衆議院予算委員会は、首相が出席する集中審議が行われました。審議時間は、およそ7時間でした。今日は、地方公聴会が行われる予定です。

 2014年度予算の審議日程を予想したカレンダーを作成しています。毎回、記事の下にのせているものです。予算案の衆議院通過は3月になると予想していましたが、その通りになるかどうかは微妙なところです。政府・与党の思惑通り進めば、今月末に衆議院を通過する可能性があるからです。

 ただ、平日はすべて予算審議を行うところなど、予想があたってるところも出てきたので、手応えは感じています。

 予想するのに必要な知識を、いつかまとめたいです。

2014年2月 予算審議実績と予想
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衆代表質問1
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衆代表質問2
参代表質問1
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参代表質問2
衆参予算提案理由説明
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衆補正1
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衆補正3
衆議院通過
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参補正2採決
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参予集中審議
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衆本予算1
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地方公聴会
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衆本予算10
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中央公聴会
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2014年3月 予算審議予想
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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


2000年の衆議院の本予算審議は異例


 2014年2月20日現在。本日の衆議院予算委員会は、首相が出席する集中審議が行われます。また、昨日は一般的質疑があり、審議時間はおよそ7時間でした。

 衆議院予算委員会の中央公聴会の25日開催が決まり、政府・与党は2014年度予算案を今月28日に衆議院通過させることに全力をあげています。

 今朝の読売朝刊によると、「28日に通過すれば実質審議入りから14日間で、00年以来14年ぶりのスピード審議となる。」とのことです。衆議院での予算審議が14日間で終わった実績はあるようですね。2000年というと、当時の総理大臣は小渕恵三さんです。与党は自民党・自由党・公明党。

 調べてみると、この年の通常国会はすごいですね。1月20日(木)に召集され、政府四演説が一週間先の1月28日(金)。2月1日(火)に衆議院予算委員会で本予算の提案理由説明が行われましたが、野党(民主党・共産党・社民党)の審議拒否にあっています。

 実質審議入りした2月3日(木)の基本的質疑も依然、野党欠席のまま進んでいます。審議拒否は、4日、7日と続き、14日に野党が出席しています。ここまで、予算委員会の開催日の間隔もあいていますし、相当異例な感じです。衆議院通過は2月29日(火)でした。

 2000年の予算審議はかなり異例だったようです。

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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


共産党、2月25日の中央公聴会開催に賛成


 2014年2月19日現在。昨日は衆議院予算委員会で一般的質疑が行われました。審議時間はおよそ5時間30分でした。

 一般的質疑の後、中央公聴会を25日開催することが議決されました。賛成したのは与党と、共産党です。

 この中央公聴会は予算案の採決の前提となると言われています。中央公聴会をやらない限り、予算案が採決されることはない、ということです。事実、昨年は衆議院予算委員会の中央公聴会の3営業日後に予算案が採決され、衆議院を通過しています。

 これで、与党としては2月末までの2014年度予算案の衆議院通過、ひいては年度内の予算案成立の道が開かれたことになります。

 25日の中央公聴会開催は、政治の日程闘争上は与党有利のものですが、なぜ共産党は賛成したのでしょうか。以下、時事ドットコムからの引用です。

共産党は「採決とセットとは考えておらず、公聴会は国民の声を聞く場だ」として賛成した。 
時事ドットコム『25日の公聴会議決=衆院予算委』2014/02/18-19:32

 共産党としては、「中央公聴会開催が採決の最終関門になるというような日程闘争には組しない。国民の声を聞く機会は尊重すべきで、反対する理由がない」という主張のようです。確かに、中央公聴会で意見を述べる公述人は、官報で公募されます。一応、国民の声を聴く体制は整っています。

 なんというか、正論としかいいようがありません。よく揶揄される「なんでも反対共産党」ではないということですね。

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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


与党、中央公聴会を2月25日に開催することを提案


 2014年2月18日現在。昨日の衆議院予算委員会では首相が出席する集中審議が行われました。審議時間はおよそ7時間でした。

 今朝の読売朝刊によると、与党は2014年度予算案の採決の前提となる中央公聴会を2月25日に開催することを提案したそうです。昨年の実績からすると、中央公聴会の3営業日後には予算案の採決をしているので、25日に中央公聴会ができれば月末の28日に採決できることになります。

 ただ、28日採決ということになると、予算案の審議入りから14日での採決という「異例のハイペース(読売)」となるため、野党が提案を受け入れるかどうかは微妙です。

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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


2014年度予算審議の状況と見通し・2/10〜2/21


 2014年2月17日現在。本日は、衆議院予算委員会で首相が出席する集中審議が行われる予定です。

 すでに、18日、19日、20日、21日と予算委員会が開かれることで与野党が合意しているので、今週は全ての平日で予算審議があることになります。

 先週の予算案の総審議時間は、およそ26時間です。今週中に50時間を突破すると思われます。このペースでいくと、来週で総審議時間が採決の目安となる70時間に達します。2月中に予算案が衆議院を通過する可能性は、まだ消えていません。

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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


維新の会と結いの党が統一会派を組もうとしている


 2014年2月16日現在。今朝の日経朝刊に、衆参でみんなの党の会派から離脱し、新会派を結成した結いの党が、はやくも日本維新の会と統一会派を組もうとしているという記事がでていました。

 会派というのは国会での活動単位で、基本的には各政党の構成員とほぼ同じになります。ただ、党が違っても方向性が同じならば違う党同士でひとつの会派を作ることがあります。

 統一会派を作ることはいくつかのメリットがあります。会派に所属する議員の数によって、国会での活動に差が出てくるからです。例えば、参議院では10人以上の議員が所属する会派でなければ、法案を提出することができません。また、国会の運営の要である議院運営委員会の委員になることもできません。

 さらに人数が集まって、野党会派で最大の議員数を擁するようになると、各委員会の野党筆頭理事になることができます。筆頭理事とは、与党代表と野党代表から1人ずつ選出されて、各委員会の運営の与野党交渉一手に引き受けることができる役職です。筆頭理事を出すことができれば、国会運営に大きな影響力を持てます。

 衆議院で維新の会と結いの党が統一会派を組むと、維新53人+結い9人=62人となり、民主党の55人を超えて野党第一党に踊り出ます。そうなると、ながらく筆頭理事を務めていた民主党の影響力が一段と下がってしまいます。

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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


参議院でも結いの党の会派結成


 2014年2月15日現在。みんなの党から離党して結いの党を結成した議員が、みんなの党の会派から離脱できなかった問題が決着しました。

 衆議院では、すでに結いの党の会派ができていますが、参議院ではみんなの党が会派離脱を認めませんでした。理由は、「比例選出の議員が当選した時の所属党から離党する時は、議員辞職して議席を返上すべきである」というものと、「衆議院では『会派離脱は議員本人の意思を尊重する』という申し合わせがあるが、参議院にはないから認められない」というものがありました。

 では、なぜ、みんなの党は参議院でも会派離脱を認めたのでしょうか。みんなの党の水野政調会長によると「補正予算が成立したので、参議院では本予算の審議まであまり動きがない。この時期が他の会派に迷惑がかからないと考えた」そうです(『2014年2月14日 水野政調会長 ぶら下がり会見』)。

 みんなの党のサイトに掲載されている水野政調会長の記者会見(『2014年2月14日 水野政調会長 記者会見』)によると、今回の決着には自民党の岩城参議院議院運営委員長の斡旋があったそうです。このことは私が目にした報道にはなかった情報なので、非常に興味深かったです。

 今回、参議院のみんなの党の会派から結いの党の6人が離脱してしまいます。そうすると、みんなの党が持っている参議院の委員会の委員の枠がその分減ってしまいます。委員会の枠は、会派の人数別に割り当てられるからです。

 結いの党は予算委員会の枠が欲しかったようですが、みんなの党は渡さない模様です。水野政調会長によれば、「岩城議運委員長は、みんなの党は結いの党の議員の会派離脱を認めるかわりに、結いの党にわたす委員会を自由に選べるという考えを示した」そうです。

 結いの党は納得していないようですが、ひとまず会派離脱という点に関しては決着がついたわけです。

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採決
7
参本予算1
8
9

 

10
参本予算2
11
参本予算3
12
参本予算4
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参本予算5
14
参本予算6
15
16

 

17
参本予算7

18
参本予算8
19
参本予算9
20
参本予算10
21 22

 

23

 

24
参本予算11
25
参本予算12
26
参本予算13
採決
27 28 29
30

 

31        

*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


年度内成立のシナリオ


 2014年2月14日現在。今日も衆議院予算委員会で2014年度予算案の審議が行われる予定です。今日からは、財務大臣と出席を要請された大臣のみが出席する一般的質疑に入ります。

 首相とすべての大臣が出席する基本的質疑が昨日終わり、今後の予算審議の予定が決まってきています。首相が出席する集中審議が17日と20日に開かれ、21日には地方公聴会が開かれます。NHK NEWSWEBなどによると、ここまでは与野党で合意しているようです。(NHK NEWSWEB『衆院予算委 21日に地方公聴会で合意』2月13日 20時44分

 少し驚いたのが、予算案の採決の前提となる中央公聴会の日程を18日に議決することを与党が提案したことです。昨年の実績だと、衆議院予算委員会理事会は2013年4月5日に中央公聴会を4営業日(?)後の4月11日に行うことを決定しています。そして、中央公聴会の3営業日後に2013年度予算案が衆議院を通過しています。もし、今年も同じような日程になるとすると、2月24日に中央公聴会、27日に衆議院通過ということもありえます。

 27日に予算案が衆議院を通過すれば、憲法60条2項により30日後の3月29日(土)には、予算案は成立します。与党がどんなに参議院で手こずっても、年度内に来年度予算が成立すること道がひらけます。

憲法60条2項
 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

2014年2月 予算審議実績と予想
26 27 28
衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2

3
衆補正2
4
衆補正3
衆議院通過
5
参補正1
6
参補正2採決
7
参予集中審議
8
9

 

10
衆本予算1
7時間11分
11

12
衆本予算2
7時間14分
13
衆本予算3
7時間16分
14
衆本予算4
15
16

 

17
衆本予算5

18
衆本予算6
19
衆本予算7
20
衆本予算8
21
衆本予算9
地方公聴会
22
G20
 
23
G20
 
24
衆本予算10
25
衆本予算11
26
衆本予算12
27
衆本予算13
28
衆本予算14
 

 

2014年3月 予算審議予想
        1

2

3
衆本予算15
4
衆本予算16
5
衆本予算17
6
衆本予算18
採決
7
参本予算1
8
9

 

10
参本予算2
11
参本予算3
12
参本予算4
13
参本予算5
14
参本予算6
15
16

 

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参本予算7

18
参本予算8
19
参本予算9
20
参本予算10
21 22

 

23

 

24
参本予算11
25
参本予算12
26
参本予算13
採決
27 28 29
30

 

31        

*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。