■秋の臨時国会召集
2013年10月20日現在。10月15日に臨時国会が召集されました。召集後の国会の流れは以下のようになります。
- 議席の指定
- 会期の議決(今回は10月15日から12月6日までの53日間)
- 常任委員長人事(委員長辞任の許可と、新委員長の指名)
- 特別委員会の設置
- 首相の所信表明演説
- 所信表明演説に対する各党代表質問(2日間)
だいたいここまでで4日ほどかかります。しかし、今回衆議院では3日で終わっています。本来なら所信表演説のあと1日空けてから代表質問に入るのですが、今回は演説の翌日に代表質問に入っているためです。53日の会期をフルに使って法案を処理していきたいという、内閣の意気込みがうかがえます。
すでに安倍首相の所信表明演説と、所信表明に対する各党の代表質問の日程は消化済みで、明日からは予算委員会で全閣僚が出席する基本的質疑が行われる予定です。衆参で2日ずつ行われる、与党議員・野党議員の序盤最大の見せ場です。
■参議院先議の法案
予算委員会の基本的質疑が終わると、各委員会で法案の実質的審議が始まります。先週提出された内閣提出法案のなかに、参議院先議のものが2つありました。「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」です。
参議院先議にするメリットは、審議時間の短縮がはかれることです。法案を衆議院から参議院に送るだけでは、衆議院で審議している間、参議院は暇になってしまいます。衆議院で審議している間に、参議院で別の法案の審議を進めることができれば、法案の提出から成立までの時間を短縮できます。
■日本共産党はどう動くか
このことから、政府・与党は「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」を確実に今国会中に成立させるつもりであることがわかります。ただ、この2法案はまだ委員会に付託されていないので、場合によっては、本会議の趣旨説明から始まる、一番長い審議をするコースになる可能性もあるかもしれません。先の参議院選で勢力を増やした日本共産党の動向がキーになるでしょう。
勢力を増やした共産党は、参議院の議院運営委員会に理事を出せるようになりました。議院運営委員会は議院の運営を取り仕切る重要な委員会です。そして、理事会は委員会の運営を決めます。理事会の決定は理事の全員一致が原則なので、共産党は国会運営に対して大きなテコを手に入れたと言えます。
今までと違い、共産党の動きは国会運営に影響を与えます。「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」の審議がどのように推移するかで、共産党の実力が試されるでしょう。