入管難民法案の議事妨害、解任決議案の次の一手は?


■法務委員長解任決議案採決後の予定

与党は、明日11月20日の衆議院本会議で法務委員長の解任決議案を否決し、21日の法務委員会で外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の実質審議入りを目指しているとの報道が出ています。

衆議院インターネット審議中継によると、20日の本会議は通常通り13時開始です。また、法務委員会が予定に入っていません。これは、本当に法務委員会がないのか、委員長の解任決議案の採決が終わるまで法務委員会を開く予定を公に出していけないという配慮かどちらかでしょう。

今週3日以上の審議を目指す場合は、20日13時からの本会議で速やかに解任決議案を否決し、法務委員会を開いて入管難民法案の提案理由説明を終えておいて、21日に質疑に入るというスケジュールが考えられます。提案理由説明を行った日は質疑をしないのが慣例だからです。

■野党の次の一手

法務委員長の解任決議案提出により、入管難民法案の審議は与党の当初の想定より遅れています。ですが、解任決議案が出されることはもうありません。

国会は一事不再議という原則があり、会期中に結論が出た議案について再度審議・採決することはないからです。法務委員長の解任決議案は、法務委員長が変わりでもしない限り二度と提出できません。

では、もう野党に審議を制度的に止める方法はないかというと、そうではありません。 例えば、法務大臣の不信任決議案の提出です。法務大臣の不信任決議案を提出した場合も、法務委員長の解任決議案が提出された場合と同じく本会議での採決が終わるまで法務委員会の審議は行えなくなります。

仮に、法務委員長の解任決議案の採決を終えて本会議が散会したあとに法務大臣の不信任決議案が提出された場合、20日に法務委員会を開くことはできなくなります。議長が本会議の散会を宣告したあとは、その日のうちに再び本会議を開くことはできないためです。この場合、次の本会議の定例日は木曜日ですので、定例日通りに本会議を開いた場合、今週ほとんど審議させないことが可能になります。

与党としてはそれではまずいので、明日の本会議は解任決議案の採決後、いつでも再開できるように休憩で一日を終えると思います。


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