入管難民法案、徹夜国会で可決成立


■徹夜国会

本日12月8日未明、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案が参議院本会議で可決し成立しました。報道によると、午前4時過ぎに成立したのだとか。徹夜国会です。

■次々出される解任決議案、問責決議案

前日7日の参議院本会議から与野党の攻防は始まっていました。

前日に出された法務委員長の解任決議案が12時前に否決された後、14時ごろに野党から山下法務大臣に対する問責決議案が提出されました。19時半から法務大臣の問責決議案の審議が始まり、審議中の20時30分ごろに安倍総理大臣の問責決議案も提出されました。

入管難民法案を所管する大臣である法務大臣と内閣の長である総理大臣に問責決議案が出されている場合は、問責決議案の決着をつけてから審議をする慣例になっています。このため、法務委員会は入管難民法案の採決を前にして予定した委員会の開催ができない事態になりました。

法務大臣問責決議案は21時前に否決され、本会議は2度目の休憩に入りました。再開は22時10分。総理大臣問責決議案の審議が行われ、23時30分ごろ否決されました。

■日付変更前に1分だけ開かれた衆議院本会議

ここで、面白いことがおきました。日付が変わる直前の23時57分、衆議院本会議が開かれ、翌8日の1時から本会議を開くことを議長が宣言し、1分で本会議を終えました。内閣不信任決議案が提出された場合に、速やかに否決して参議院での審議を継続するための措置と思われます。

■国民民主党の反対討論で明確になった、野党の足並みの乱れ

日付が変わってやっと開かれた参議院法務委員会で入管難民法案は可決すべきものと決しました。採決に先立つ討論では、反対討論に立った国民民主党の議員が、委員会室に集まった委員でない議員の態度に苦言を呈しました。「反対討論をさせてほしい。あなたたちのやっていることは、解任決議案の趣旨説明の時間を15分程度に区切る要求を出した与党と変わらない。言論封殺につながるのではないか」といった趣旨の発言でした。野党の足並みに乱れがあることが明らかになった格好です。

野党の足並みの乱れは他にもありました。報道によると、国民民主党は内閣不信任決議案を提出して抵抗するつもりだったようです。

内閣不信任決議案の提出は51人の衆議院議員が必要ですが、国民民主党の衆議院議員は37人しかいないため、立憲民主党に協力を求めました。時事通信によると、立憲民主党は「事前の根回しがない」などとして協力を拒否しました。

内閣不信任決議案といえば、通常国会では立憲民主党の枝野代表が内閣不信任決議案の提案理由について3時間弱の演説を行い、演説が本になって話題になりました。「魂の大演説」をやるには準備が必要なようです。

■18時間に及ぶ攻防、決着

そして、8日1時20分から参議院本会議が開会し、14本の法案の採決が行われたあと、ついに入管難民法案の採決が行われ、可決されたのです。午前4時頃のことでした。

NHKによると、7日の参議院本会議から入管難民法案成立まで18時間かかったということです。

与党議員も野党議員も、お疲れさまですという感じです。


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください