与党のコントロール手段としての党内手続き


 2012年12月28日現在。政府は通常国会の召集日を1月28日にする予定、という記事が今朝の日経朝刊に出ていました。28日にするなら、23日か29日がいいと思います。理由は、28日は仏滅ですが、23,29日は大安だからです。それだけです。

■与党のコントロール

 さて、安倍首相の国会運営が順調に進むかは、野党と与党を同時にコントロールできるかにかかっています。主義主張の違う野党の対応も大変ですが、与党の対応も大変です。与党をコントロールできなければ、なにもかも決まらないからです。

 党に所属する議員に賛成票を投じることを強制する「党議拘束」は、党をコントロールする手段のひとつです。自民党の場合は、総務会という機関で可決された法案に対して党議拘束がかかる仕組みになっています。また、総務会で可決されて初めて、法案が閣議決定され国会に提出されるのが慣例です。つまり、総務会の可決を得られない法案は、国会で審議されないことになります。

■党内手続き

 自民党内では、法案がこの総務会で審議されるよりも前から、法案について審議しています。政策分野別に分かれた政務調査会部会や、政務調査会審議会が議論の場となり、部会から総務会に至るまでの党内審議の手続きを「与党内審査」「党内手続き」と呼びます。

 与党内審査は、官僚が既存の法律や前例、関係団体の現状などをふまえて作成した法律に、初めて公式に政治家が意見をぶつける議論の場です。そのため、政治家が政策を主導する「政治主導」の文脈で語られることが多いです。

 同時に、党内の意見をまとめるための儀式の役割も担っています。特に総務会は全会一致なので、意見が違う議員にも、「みんなで決めたんだから、本会議で賛成しようよ」ということで、党議拘束をかける正当性が出てくるのだと思います。

 ちなみに、総務会で最後まで法案に反対する総務は、採決の前に反対である旨を発言してから席を外すことで、結果として全会一致にするそうです。

■総務会、政務調査会を活用する

 総務会や政務調査会で行われる党内手続きは、与党をコントロールするために重要です。そして、総務会の会長や、政務調査会の会長は幹事長と並んで「党三役」と呼ばれるほどの重要ポストです。

 安倍首相は、党内手続きを活用し、議論の行方をうまくコントロールすることで、首相が目指す政策に合った法案を与党議員に賛成させる必要があります。


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