日別アーカイブ: 2013年2月16日

足を引っ張るのが野党の仕事


■野党になっても批判される民主党

 2013年2月16日現在。昨年末の衆議院総選挙で野党になった民主党の国会戦略に批判が高まっています。民主党政権時代に苦労し、自ら緩和を申し出た「事前報道ルール」の見直しに対する姿勢が曖昧なところを挙げて、「民主党は抵抗野党に堕した」とまで言う人がいます。

 事前報道ルールが妥当なものかどうかはさておき、野党は抵抗するのが仕事なので、政府・与党の足を引っ張ることを一概に批判はできません。

■野党の役割は政府に再考を促すこと

 野党というのは何かというと、国会に議席を持ち政府に関与していない会派のことです。国会に議席のない野党もいなくはないでしょうが、力はありません。この場合の力には、いくつか種類があります。

 ひとつは議決権のことです。議決権があると、政府提出法案に反対票を投じ、成立を阻止できます。これは国会議員でなくてはできないことです。

 もうひとつは、国会のスケジュールに関与できることです。国会の委員会のスケジュールは、各委員会の理事によって決定されます。スケジュールを決められると、審議を始めるのを遅らせることや、採決を先送りし続けることで審議を長引かせることができます。国会の会期末までに議案が採決されなければ廃案となり、少ない議席数でも、政府に待ったをかけることができます。これも国会議員でなければできないことです。

 どの力も、国会という場で政府の施策に再考を促すことを可能にします。政府に再考を促すことは、政府、もっと言えばその実質的な運営者である官僚の好き勝手を許さないということにつながります。

■野党も国民の代表

 野党であるからには、政府・与党の方針に反対の意見があるはずです。なかったら別の政党として存在している価値がありません。そして、その意見は、単に野党議員の意見であるというだけではなく、野党議員に投票した国民の意見でもあるはずなのです。

 野党は政府・与党に反対の意見を持った国民の代表です。その意見もまた、尊重されなければなりません。野党は、自らを支持した国民の声を届けるためにできるすべてのことをやる義務があるはずです。

 その義務を果たす方法のひとつが、政府・与党の足を引っ張ることなので、ある程度の議事妨害はやむを得ないところだと思います。