議席が減ると政党交付金が減ります。
政党交付金が減ると、党の政治活動が低調になります。
党の政治活動が低調になると、人気が落ちます。
人気が落ちると、議席が減ります。
このような流れになるとしたら、政党交付金に頼るのは危険だと言えます。
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議席が減ると政党交付金が減ります。
政党交付金が減ると、党の政治活動が低調になります。
党の政治活動が低調になると、人気が落ちます。
人気が落ちると、議席が減ります。
このような流れになるとしたら、政党交付金に頼るのは危険だと言えます。
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2014年4月10日現在。明日11日は、日本維新の会の石原共同代表と、結いの党の江田代表が会談する予定になっています。
報道では、衆議院と参議院で維新と結いが統一会派を組むための地ならしのための会談だとされています。
維新と結いが統一会派を組むと、参議院ではみんなの党を抜いて野党第二会派に、衆議院では民主党を抜き野党第一会派になります。
90年代後半から、国会運営は与党第一党と野党第一党がまず話しあって決める慣習になっているため、民主党は衆議院で与党と優先的に交渉する権利を失う可能性があります。
とはいえ、民主党は参議院では圧倒的な野党第一党です。衆議院と参議院で最大野党が変わることになるので、今まで通り二党での交渉で国会運営を進めていくのは難しくなるかもしれません。
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その変化は、官僚が懸念した通りの壁で躓くことに気づいてからです。はじめは官僚がやりたくないから難色を示していると思いましたが、自治会の首長さんに会ったり市長会に顔を出すなかで、そうではないことに気づきました。
『政権交代を超えて――政治改革の20年』の湯浅誠さんのインタビューです。
この気づきのあと、湯浅さんは官僚と対立するのではなく、官僚とチームを組んで「どうやったら説得できるか」を考えるようになったそうです。政府に入った人ならではの気づきです。
こういう、体験してみてわかったことを知れるところが、インタビューのいいところです。
制度や慣習を追う立場からすると、実務をやった人のインタビューはとても参考になります。
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(前略)私は小選挙区は国会議員をつまらなくしているのではないかという気持ちをすてきれません。(中略)一人区で振幅が激しくなって、ころころ議員が代わることになり、若い政治家が育ちにくくなっています。中選挙区のときのような議員を切磋琢磨する機会がなくなっていると思います。
『政権交代を超えて――政治改革の20年』の谷垣禎一法務大臣のインタビューです。
私は学生のとき(2007年)に自民党本部で開かれた谷垣政調会長(当時)の勉強会に出席したことがあります。質問時間で私は「今後、有権者は候補者をみないで党で選ぶようになるのではないか」というような質問をしました。そのときも、谷垣さんは「政治家が、政治家としてではなく、単に数合わせのものとして必要ならばそれでもいいかもしれないが、そうではないだろう」という答えをされました。
谷垣さんは小泉内閣の閣僚で、ポスト小泉の一角でもあったので、「当然、小泉首相に空前の大勝利をもたらした小選挙区制に賛成なのだろう」となんとなく思っていました。ですから、厳しい言葉に思わずたじろいたことをおぼえています。
ただ、中選挙区制というのは「同じ政党の候補者が競う」ものです。谷垣さんも自民党の有力者であった野中広務さんと競っています。競っている候補者が同じ党に所属しているので、党の政策だけが、有権者が候補者を選択する際の基準になりません。当選するには、党の政策プラスアルファが必要になります。このプラスアルファが、選挙区への利益誘導につながる可能性があるというデメリットがあります。
―かつて小沢さんは、これまでの政治はなあなあだった。きちんと決めないといけない。五一対四九でも五一が勝ちだとおっしゃった。それは変わりませんか?
変わりません。選挙では一票でも足りなければ落選ですから。自社なれあい談合政治の中で僕も育ってきましたが、表は別にして裏では共産党を除いて常に全会満場一致なのですね。そのためにあらゆることが曖昧な話になって、妥協妥協でどっちつかずで、思い切ったことはできないということになってしまっていた。
『政権交代を超えて――政治改革の20年』の小沢一郎議員のインタビューです。小沢さんは、「賛否両論の問題だとしても、一人でも多い人が賛成する政策を妥協せずやりきるべき」という意味で「五一対四九でも五一が勝ち」言ったのでしょうが、わたしはちょっと違う捉え方をしました。
「五一対四九」となるような問題は、どっちでもいい問題も含まれるのではないでしょうか。選択肢が2つあっても「どっちもなんだかな」と思うような問題です。それでも、「五一対四九」で2ポイント多い方を選択する必要があります。その積み重ねで、例えば二大政党のどちらを政権与党にするか選択することになります。でも、なんとなくそういう決め方は後ろめたい気もします。
ですから、「五一対四九でも五一が勝ち」という理念は、「小選挙区制になって政党の違いがわからないよ」という有権者の背中を押すものになるのではないかなと思います。
いまや大企業のトップリーダーは一年か二年で結果を出さなければいけません。リーダーシップはかくあるべしということになると、これからの代議制民主主義は苦しいことになるでしょう。だから民意に愛想をつかされて一年で首相が替わるということは、いいことだということになるかもしれませんよ。
『政権交代を超えて――政治改革の20年』の冒頭の座談会での、牧原教授の言葉です。牧原教授の言った意味とは違うとは思いますが、この言葉を目にして思ったことを書きます。
政権交代がないこと、世代交代がないこと、世襲という形で政治への人材供給が制限されて人材の入れ替わりがないこと。これら政治の硬直性は、しばしば批判の的になります。政治において「変わらないこと」は民意との乖離の証拠とされ、悪とされているように思えます。
そうなると、政治家が民意に素早く反応した結果として首相が降ろされることは、日本の政治が民意に素早く反応しているとポジティブに評価できなくもありません。ですが、「短期間でころころ替わる首相」がポジティブに評価されるのをみたことはありませんし、なんとなくネガティブなことに思えます。
不思議です。変わる頻度はどこまでが良くて、どこからが駄目なのか、考えたこともありませんでした。
2013年度末に成立した法案を見ていたら、ほとんど与野党ともに賛成しているなかで反対票が入っているものがいくつかありました。なかでも、「雇用保険法の一部を改正する法律案」は、参議院では日本維新の会と結いの党が反対していて、「おっ」と思いました。共産党や社民党、無所属の議員も賛成しているのに、なぜ維新と結いは反対したのでしょうか。
「雇用保険法の一部を改正する法律案」はどのような内容なのでしょうか。厚生労働省のサイトの「第186回国会(常会)提出法律案」というページに、法案の概要が書かれたpdfがありました。概要によれば、この法案は育児休業給付の拡充と教育訓練給付の拡充、解雇や雇い止め等にあった人を支援する暫定措置を延長することなどを目的としています。
2014年3月14日の衆議院厚生労働委員会の議事録では、「雇用保険法の一部を改正する法律案」に反対する維新と、賛成する日本共産党が討論しています。ここで「討論」というのは、議員が自分の会派を代表して法案に賛成か反対か述べるもので、議論するわけではありません。
まず、日本維新の会の重徳議員の討論です。維新は、4つの理由でこの法案に反対だそうです。
さて、政府提出法律案に反対する第一の理由は、育児休業給付の拡充策の位置づけと効果が不明確であることです。
反対の第二の理由は、教育訓練給付の拡充策の効果が不明確であることです。
反対の第三の理由は、再就職手当の拡充策の効果が不明確であることです。
反対の第四の理由は、平成二十五年度までの暫定措置を三年間も延長することです。
なお、我々日本維新の会と結いの党は、先般、平成二十六年度当初予算について、効果が不明確な予算は削減し、真に必要な施策については拡充する予算修正案を提出いたしました。その修正案においても、本法案の育児休業給付の拡充部分及び暫定措置の延長部分に係る費用を削減していることもあわせて申し述べ、本案に対する私の反対討論といたします。
「法案で示された対策は、目的を達成するという観点から役に立たない。無駄だからお金を使うのはやめなさい。」ということですね。
対して、共産党の高橋議員の討論です。
私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案に対し、雇用保険制度が担う役割を一層拡充させる必要があるとの立場から一言申し上げます。
本法律案は、育児休業給付の給付率の引き上げや個別延長給付の暫定措置の延長など、必要な措置が盛り込まれており、賛成するものです。また、法改正に関連して、特定受給資格者の基準のうち、時間外労働、過重労働に関する要件を緩和し、長時間労働を強いられた結果、離職せざるを得なかった場合などを従前よりも幅広く認めるようにすることは、評価できる内容です。
一応法案に賛成していますが、「まだまだ手ぬるいので、もっと失業給付や再就職支援にお金を使うべきだ。」と言っています。こういう賛成討論もあるんですね。
集団的自衛権について、政府が考えているゴールから逆算して、必要なプロセスを洗い出してみます。
ゴール:集団的自衛権を行使するために必要な法案の成立
15.法案の成立
14.法案の審議
13.法案の付託
(特別委員会の設置?)
12.法案の提出
11.法案の閣議決定
10.内閣法制局審査
9.自民党総務会決議
8.自民党政調会決議
7.担当省庁の原案作成
6.集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈を閣議決定
4.自民党総務会決議
3.自民党政調会決議
2.自民党政調会、安全保障法制整備推進本部合同審査
1.安保法制懇報告書提出
集団的自衛権を行使する環境が整うまでに、これだけのステップが必要になります。2014年4月4日現在、ステップ1以前の段階です。
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只、閣議決定案件ということになりますと、79条機関と政調会との合同で審査をいたしまして、その後、政審、総務会と通常の手続きを踏んでまいりますので、私は可及的速やかにということを希望しております。
冒頭は、自民党の高市政調会長の記者会見からの引用です。引用中の「79条機関」は、集団的自衛権について意見を集約するために設置された自民党の『安全保障法制整備推進本部』のことです。
高市政調会長によれば、集団的自衛権の行使を容認するよう憲法解釈を変更する閣議決定をするまでに、以下のような手続きが必要になります。
2014年4月2日現在。集団的自衛権の行使容認に向けた報告書を作成している安保法制懇が、報告書の提出時期を4月から5月にずらすという記事が時事通信から出ています。
記事のなかに、報告書が出てから憲法解釈変更までの流れが書いてありました。
政府は提言が出されれば、内閣法制局の意見も踏まえ、与党との調整に入り、憲法解釈の変更について閣議決定を目指す。
以上のような流れで、集団的自衛権の行使に向けた環境作りがされていくと思われます。もし、今年中に環境を整えたいのなら、秋の臨時国会を早めに召集しないといけません。召集が遅れると会期が短くなり、どうしても強行採決になってしまうからです。