参議院、首相の所信表明演説を求めず


 2012年10月29日現在。臨時国会が召集されました。衆議院では野田首相の所信表明演説があり、本日の夕刊に要旨が掲載されています。いつもだったら、まったく同じ内容の演説を参議院でもやるのですが、参議院の議院運営委員会は首相の所信表明演説をスケジュールに組み込まず、衆院のみで演説することになりました。これは、先の国会で首相の問責決議が可決されていることを理由にしたものだそうです。「問責を出した首相に、所信表明を求める必要はない」ということでしょうか。

 日本を統治する機関は、大きく分けて3つあります。国会、行政、司法です。なかでも国会は、予算審議や法案審議を通じて行政をチェックするという役割を負っています。この役割から考えると、行政の長たる首相の所信表明を求めないことで行政をチェックする機会をひとつ手放したと言えるでしょう。なぜなら、所信表明演説がないことで演説に対する質疑もなくなったため、首相を追求する場がなくなってしまうからです。

 ただ、「憲法上の規定はないとはいえ、国会が出した問責決議を首相は重く受け取るべきだ。問責決議を撤回していない以上、首相が軽々しく参議院の議場に足を踏み入れることは許さない」という考え方もなくはないので、どちらが正しいかと言われると困ってしまいます。


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