そもそも解散できるのか


 衆議院の解散は、首相ただ一人が決定権を持っています。「解散は首相の専権事項である」というのはそういうことです。 しかしまた、専権事項だからといって自由に解散を打てる、というわけではありません。

 解散は、周りに支えられているか、全世界を敵に回してもやり切る覚悟があるか、そのどちらかでなければできないのではないかと思います。

 例えば、吉田茂をみてみましょう。吉田が国会審議中に「ばかやろう」と漏らしたのをきっかけとして、内閣不信任決議案が提出される事態になりました。事態をここまでエスカレートさせたのは、鳩山一郎を首相に推すグループが吉田内閣の倒閣を図ったからです。

 吉田は衆議院の解散を断行します。世に言う「バカヤロー解散」です。総選挙後、自由党は議席を減らしはしたものの第一党を維持し、第五次吉田内閣が成立しました。

 そして第五次吉田内閣末期。やはり鳩山を支持するグループが新党を結成し、吉田内閣は少数与党内閣になってしまいました。野党は数の力を背景に不信任決議案を提出します。

 吉田はあくまで解散するつもりでした。しかし、世論は吉田に厳しく、また、吉田の側近たちも総辞職したほうが自由党政権を維持できると考え、解散を許しませんでした。特に、吉田を首相にした張本人とも言える松野鶴平は「この段階で解散しろというような総理は除名だ」と厳しい態度をとりました。そして、吉田内閣は総辞職し、鳩山内閣が成立しました。

 このように、ワンマンと言われた吉田茂でさえ、周囲の人間の支持もなく、絶対不利な状況で解散を断行することはできませんでした。

 明日、10月19日に民主、自民、公明3党の党首会談があります。そこで、野田首相が解散の時期について、あらたな見解を示すのではないかと言われています。 どういう表現で見解を示すのはともかく、果たして野田首相の解散を支持する身内はいるのでしょうか。

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