自民党の執念


 自民党の方が圧倒的に数が多くて、さきがけは数議席ですが、あらゆるプロジェクトの構成は自民:社民:さきがけ=3:2:1にするので、多数決で決められないようにして、とことんコンセンサスを持とうということで現場で議論をし、政調会長にあげ、幹事長にあげ、決まらなければ再度現場にというプロセスを踏んだのです。

御厨 貴, 牧原 出, 佐藤 信『政権交代を超えて――政治改革の20年』岩波書店(P.120)

 『政権交代を超えて――政治改革の20年』の辻元清美議員のインタビューです。

 非常に面白いです。多数決で決められないようにするというのは、すさまじい知恵です。おそらく、小沢さんが最も嫌った自民党的なものがそこなのだと思います。だからこそ、「五一対四九でも五一が勝ち」なのです。

 辻本さんは民主党は小さな政党に対する配慮が少なかったとして、「小さな政党を大事にすることは、連立政権時代に政治を安定するための技術であり、政権安定への執念ですよ。」(前掲書)と当時の自民党の政治技術を評します。小沢さんも、この本のインタビューで、自民党の権力への執念は見事だと言っています。

 性格が違うように見える二人の政治家が、どちらも自民党に「権力への執念」を感じています。自民党の強さに、「権力への執念」と表現されるものがあることは間違いなさそうです。


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