政治の評価には、良い政策と悪い政策というような「政策」を軸にしたものがあります。「自分にとって良い政策を訴えているから、この政党を支持しよう」とか、「悪い政策を訴えているあの政党は支持しないぞ」というようなものです。
しかし、評価の軸は政策だけではありません。良い手続きと悪い手続きという「手続き」を軸にしたものもあります。良い手続きというのは、政策決定過程に疑問の余地がないものです。
すべての可能性をあげると以下のようになります。
- 良い政策を良い手続きで実現する
- 悪い政策を良い手続きで実現する
- 良い政策を悪い手続きで実現する
- 悪い政策を悪い手続きで実現する
2と3だったら、2のほうがましです。議会の多数派が変われば、自分にとって良い政策が実現される可能性があるからです。3や4は、自分が支持している勢力が議会の多数派である(3)ときはいいですが、そうでない(4)ときは怖すぎます。何がどう決まるかわからないからです。
そんなことはみんなわかっているので、与党はどんな形であろうと手続に則っているようにみせます。そして野党は、与党がどう頑張っても手続きに傷があるようにしむけるのです。