人の行動を予想するには、その人の目的と、その人ができること・できないことを把握することが必要です。目的と、できることとできないこと。この3つのうち、どれかひとつでも読み違えると、致命的なことになります。
例えば、小泉純一郎元首相の郵政民営化法案が参議院で否決された時、当時自民党にいて郵政民営化反対を訴えていた亀井静香衆議院議員は自らの勝利を確信しました。当時の自民党は参議院で否決された法案を再可決するために必要な、衆議院定数の3分の2の議席を持っていなかったからです。これで、郵政民営化法案を葬ることができたと考えたのです。
しかし、小泉さんは「郵政民営化について国民の信を問う」として衆議院を解散します。郵政民営化に反対する現職議員を公認しない方針をとったこともあり、亀井さんをはじめとする郵政民営化に反対した議員は離党を余儀なくされます。それだけでなく、亀井さんたちの選挙区には自民党から新たな公認候補が送り込まれました。亀井さんは、ライブドアの社長だった堀江貴文さんと選挙戦を争うことになります。
結果として小泉自民党は大勝利し、衆議院の与党勢力は3分の2を超えました。そして、郵政民営化法案は再提出され衆院を通過し、前回否決した時とまったく同じ構成だった参議院でもあっさり可決され、成立しました。
亀井さんは小泉さんが解散なんかできるわけないと思っていたので、ぬか喜びしたことになります。亀井さんが郵政民営化の修正を果たすのは、郵政解散から7年経った2012年です。
さて、現在は特例公債法案を成立させるための臨時国会召集時期が話題になっています。自民党や公明党は、特例公債法案成立に協力することの見返りとして年内の衆議院解散を求めています。
しかし、この交渉が成立するのは野田首相が本気で特例公債法案を早急に成立させようとしているときだけです。
野田首相の特例公債法案成立にかける意気込みは如何程のものなのか、しっかり見定めるないと自民党と公明党はピエロになってしまうかもしれません。
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