選挙ではなく、試験で選抜された公務員が政策決定過程のすべてを支配している状態が官僚主導の政治だということを、前回書きました。
この官僚主導の政治において、一番弱いところはなんでしょうか。少しでも気を抜くと思い通りにいかないところはどこでしょうか。
それは国会です。国会で意思決定できるのは、有権者が選挙で選んだ国会議員だけです。国会議員が賛成しなければ、予算案や法案は永久に「案」のままです。
国会の力は予算の決定や法律の決定だけにはとどまりません。国会で行われた審議は議事録が残されます。この議事録に書かれていることをもとに、「この議事録の内容と、現在の行政の方針が食い違っている。どういうことだ!」と言われると、行政は筋の通った弁明をせざるを得ません。これは官僚にとって大変面倒なことです。だからこそ、言質をとられるようなことが議事録に残らないよう、国会答弁の作成に必死になるのです。
国会は政策決定過程において、最終的な決定権を持っています。しかし、決定権をもっていても、国会に上がってくる政策がどれもイマイチだったらあまり意味がありません。会期制により審議の時間が限られていて、修正することにも限界があるからです。
国会議員は果たして政策作成に関与しているのでしょうか。
続きます。
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