「官房長官が10月4日の臨時国会召集を議院運営委員会理事会に伝えた」を解説する


■9月26日、菅官房長官が臨時国会の召集日を伝達

2019年9月29日現在。

報道によると、9月26日に菅官房長官が衆参両院の議院運営委員会理事会に出席し、10月4日に臨時国会を召集することを伝えたとのことです。これについて少し解説します。

■国会の召集とは

「菅官房長官が国会の召集を伝えた」というのはどういうことかと言うと、「10月4日から国会が始まりますよ」と国会に連絡した、ということです。「国会の召集」とは国会議員を集めて国会の活動を始めることです。

国会が始まるというのはどういうことでしょうか。実は、国会は基本的に期間限定でフル活動する役所だからです。国会は常に活動しているのではなく、あらかじめ決められた期間だけ活動します。

■官房長官が召集を伝えるのは何故か

なぜ国会が始まることを「官房長官」が連絡したのでしょうか。官房長官は『国会』『内閣』『裁判所』の三権分立で言うと、『内閣』側の人です。国会が始まることを国会が決められないのか、と思われるかもしれません。その通り、決められません。

国会の始まり、つまり国会の召集は天皇の国事行為であり、内閣の助言と承認により行われます。召集時期を決められるのは国会ではなく内閣なのです。

ちなみに、官房長官が臨時国会の召集日を伝達した翌日、9月27日付の官報に「令和元年十月四日に、国会の臨時会を東京に召集する詔書」が掲載されています。これは、天皇の名のもとで、10月4日から臨時国会を始めることを宣言したことを示します。

■議院運営委員会理事会とは

官房長官が出席した衆議院や参議院の「議院運営委員会理事会」とは何でしょうか。「議院運営委員会」は、その名の通り国会の運営について話し合う委員会です。主に国会の最高意思決定機関である本会議の議題と議事進行について話し合っています。そして、「理事会」とは委員の中から選ばれた理事が、委員会の議事進行を委員長とともに話し合う会議です。

議院運営委員会理事会は、国会の運営を担う委員会の理事会なので、国会の召集日を伝える会議としてふさわしいと言えるでしょう。


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