■ 「無所属の会」の岡田代表ら9名が立憲民主党の会派に加わる
2019年1月9日の日経新聞朝刊に、衆議院の「無所属の会」の岡田代表ら9名が立憲民主党の会派に加わったという記事が出ていました。一方、同じ「無所属の会」の野田前総理大臣ら数名は立憲民主党の会派への合流を見送りました。
無所属の会は、岡田代表や安住元財務大臣、野田前総理大臣ら民進党のベテラン議員が結成した会派です。政権運営をしていた旧民主党を源流とする民進党は、2017年の衆議院総選挙からなんやかんやあって立憲民主党と国民民主党に分裂しました。分裂の過程で、無所属のまま衆院選を戦ったのが、無所属の会の面々です。
立憲民主党の会派に無所属の会のメンバーのほとんどが参加したということは、立憲民主党が旧民主党の後継政党になる第一歩になるかもしれません。
■会派とは
ちなみに、会派というのは国会で議員が活動するグループです。国会では、会派に所属する議員の数によって、どの委員会に所属できるか、委員会の運営に関与する委員長や理事などの役職につけるかどうかが決まります。会派の議員数は、国会運営に関わるうえで非常に重要なのです。岡田代表らが無所属の会を作ったのも、会派としてある程度まとまった人数がいないと国会運営に関与できないためです。
基本的には、政党と会派はイコールの存在になりますが、複数の政党がひとつの会派を組んだり、政党に所属していない議員が既存の政党と一緒に会派を組むことも可能です。無所属の会も、無所属議員が集まって会派を組んでいました。会派は自由なのです。
■会派に入ることは、政党に入ることではない
今回の場合は、無所属の会の岡田代表らは、特定の政党に所属しないまま、国会では立憲民主党とともに活動することになります。ざっくりいうと、国会では立憲民主党と一緒に活動するけど、選挙では一緒に活動しないということです。
たとえば、岡田代表は、国会では議員数の多い立憲民主党に割り当てられた質問時間を利用したり、立憲民主党に割り当てられた委員会の委員になって政府に質問することができます。会派が同じだからです。
しかし、選挙で岡田代表が苦戦したときに、立憲民主党の比例票で復活当選するようなことはできません。政党が違うからです。