月別アーカイブ: 2019年2月

権力の不思議


■他人をコントロールする力

権力というのは、他人をコントロールできる力です。どういうときに、どういう理由で他人をコントロールできるのでしょうか。

コントロールというのは不思議なもので、お金だけでもだめ、フィジカルなパワーがあってもだめ、恐怖を与えてもだめ、ということがあり得ます。お金をいくら使っても騙されないとは限りませんし、ものすごいフィジカルなパワーがあってもひとり分の力などたかが知れています。他人に恐怖を与えて従わせることはできますが、恐怖は逆に多くの人間を一致団結させて立ち向かわせるかも知れません。

最後の恐怖の例のように、コントロールに有用そうな力を持ちすぎることで、かえって孤立して不利になるという逆説的な関係があります。その逆説は、たったひとりの権力者を、その他大勢のうちの誰も止めることができないという事態をもたらすこともあります。

そこが不思議で、とても面白いところです。


細野代議士は自民党に入っていない


■細野元環境大臣、自民党二階派に入会

衆議院無所属の細野元環境大臣が、自民党の二階幹事長の派閥である二階派に入会したというニュースがありました。

二階派に入ったというのはどういうことかというと、「二階派に入った」というだけのことです。国会議員が所属する組織は大きく3つあります。国会の活動単位である「会派」、自民党や立憲民主党といった「政党」、そして、ぞれぞれの政党の議員同士が作る「派閥・グループ」です。

今回、細野代議士が入ったのは「派閥」です。派閥は同じ政党の議員の集まりですが、同じ政党でなければ派閥として活動してはいけないという規則はないので、それぞれの派閥の判断次第で自党に入党していない議員が仲間になっても構いません。

図で書くと、会派、政党、派閥の関係は以下のようになります。矢印で示した点の部分が細野代議士のポジションです。

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2018年度2次補正予算、2月5日に衆議院通過の見通し


■野田予算委員長が職権で5日の採決を決定

2019年2月4日現在。衆議院予算委員会では、2018年度第2次補正予算案の基本的質疑が行われました。基本的質疑というのは、予算審議の最初に行われる、総理大臣とすべての大臣が出席する審議です。明日5日に基本的質疑の2日目と締めくくり質疑が行われることを、先週与野党で合意しています。

報道によると、本日の予算審議のあとの予算委員会理事会で与党が5日の採決を提案しましたところ野党が反対し折り合いがつかず、野田予算委員長の職権で採決することが決定しました。

■基本的に与野党合意のうえのスケジュール

与野党が合意して審議をすすめるという原則からすると、今回の採決の決定は原則から外れています。ただし、先週与野党で締めくくり質疑を5日にすることで合意しているので、建前は別として、本音の部分では野党も5日の採決を「やむなし」と容認していたと思います。なぜなら、締めくくり質疑は予算審議の最終段階だからです。締めくくり質疑が終わったら、予算審議は予算委員による討論と採決しかイベントが残っていません。

野党が大筋で5日の採決を容認していることは、参議院側の反応からも読み取れます。本日、参議院予算委員会の理事懇談会が開かれ、5日に補正予算案が衆議院本会議で可決し、参議院に送付された場合は6日と7日に参議院予算委員会で基本的質疑を行うこと、7日に締めくくり質疑を行うことで合意しています。

つまり、与野党は今週7日までの2次補正予算の成立で基本的に合意しているということです。与党としては、今週8日から衆議院で2019年度予算案の基本的質疑に入るために調整を続けていくものと思われます。まだカレンダー通りです。

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ひとに名前を書いてもらう能力


政治家に一番必要な能力はなんでしょうか。

それは、選挙で有権者に自分の名前を書いてもらう能力です。

お金はそのための手段になり得ますが、あくまで手段にすぎません。お金があっても選挙に勝てない人はいます。

そもそも、お金をあげた人がお金をもらった人をコントロールできるのならば、この世に詐欺事件は存在しません。

政治家が人に自分の名前を書いてもらうためにどのような努力をしているのか。選挙を追っている人は、そこを突き止めようとしているわけです。

選挙について書かれた記事を読むと、政治家の人となりが立体的に見えるような気がして面白いです。

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