■20180618
国会の委員会には、大きく二つの種類があります。常任委員会と特別委員会です。
常任委員会は常に設置されている委員会です。定例日があり、原則週に2回審議をおこないます。
特別委員会は、毎会期議決を行なって設置する委員会で、重要な法案の審議や、常任委員会の枠に収まらない案件を審議します。特別委員会は、定例日にとらわれず、毎日審議することもあります。ちなみに、常任委員会で当然に毎日審議できるのは予算委員会くらいです。
■20180619
国会の委員会での審議は重要ですが、委員会の採決ですべてが決まるわけではありません。
委員会で可決というのは、細かく言うと「原案の通り可決すべき」ということが決まっただけであり、最終決定は本会議の採決で決まります。
■20180620
本日は通常国会の会期末でしたが、衆議院本会議で6/21から7/22まで32日間の会期延長が議決されたため、通常国会延長戦に入りました。
参議院でも会期延長の議決をしたのか確認しましたが、参議院のインターネット審議中継のサイトによると、本会議をはじめ全ての委員会がとりやめになっており、参議院での議決は今日はないようでした。
衆議院の議決だけで参議院も当然に延長されるのかもしれません。
■20180621
会期の延長の議決が衆議院でしかされていない件ですが、国会法に根拠がありました。
第11条 臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の議決で、これを定める。 第12条 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。 会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。 第13条 前二条の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。
国会法13条により、本来の会期末である6/20に参議院が延長の議決をしなくても、衆議院の議決が国会の議決として確定します。
■20180622
終盤の国会で採決の延期という与党の譲歩が目立ったのは、会期延長を決意していたからです。
もし、夏に参議院議員選挙があったら、こうはいかなかったでしょう。
会期延長は、議員の任期の満了を超えてはできません。
参議院議員選挙がある年は、自由に延長することはできないのです。
■20180623
5月の連休前後の野党の審議拒否が「野党の18連休」と批判されているそうです。 国会に出てこなかったという点では、18連休という見方は間違っていません。
しかし、野党が審議に応じないことで、与党も様々な譲歩をしたりと、国会の正常化に向けて動いていました。 そういう意味で、国会以外の場所で与野党の幹部が交渉することもあったでしょうし、すべての野党議員が審議拒否の期間遊んでいたわけでもないでしょう。
そういう点で、18連休という批判はちょっと厳しいかなと思います。 野党支持者も、与党が交渉に応じたから審議拒否の意味があったということを主張するべきでしょう。それがたとえ、与党が少なからず譲歩しているという事実を明確にすることであっても。
■20180624
自民党が今国会で成立を目指している、参議院の選挙制度改革についてNHKで討論が行われていました。
そのなかで、野党の議員が「合区で調整が必要なのは自民党だけで、そのために定数を増やすのは受け入れがたい」という意見を述べていました。
言いたいことの趣旨はわかりますが「合区で調整するのは自民党だけ」という言葉にはがっかりしました。
合区の対象となる選挙区が、制度的に自民党の指定席になっているわけではありません。その選挙区にも野党を支持する人がいるはずです。野党は立候補者を立てないつもりなのでしょうか。
建前上は定数を増やすことは、野党が議席を増やすチャンスでもあります。
選挙で負けることが前提になっているから、増えた定数を自民党が獲得することを前提とした批判ができるのではないでしょうか。