日別アーカイブ: 2013年3月12日

暫定予算と日切れ法案で、衆院通過は4月11日以降か


■忘れていた暫定予算と日切れ法案

 前回の記事、「2013年度予算案の衆議院通過は4月5日か?」で、2013年度予算審議の日程を考えた時に考慮に入れていなかったことがありました。暫定予算と日切れ法案です。

 暫定予算と日切れ法案を審議している間は、2013年度予算案を審議する予算員会は開けないのです。だから、昨年と同じペースで審議しても、2013年4月5日までに衆議院通過するのは難しいみたいです。早くて4月11日、遅いと4月18日頃になると思われます。

■暫定予算とは

 暫定予算とは、次年度予算が年度内(3月末)までに成立しない場合に、4月から一定の期間作成する予算です。暫定、つまり次年度予算までの「つなぎ」の予算なので、国債費や公務員給与費のようなどうしても払わなくてはならない経費に限って計上されます。(『新・国会事典 第2版』)

 例えば、2012年は3月末までに2012年度予算が成立しなかったため、2012年4月1日〜4月6日までの間を対象に2012年暫定予算を作成しました。実際に2012年度予算が成立したのは2012年4月5日です。

■日切れ法案とは

 日切れ法案とは、「年度内に成立していないと国民生活等に重大な影響を与える法律」(『国会とは何か』)のことを言います。以前、大変話題になった「ガソリン税等の暫定税率」のように法律の期限が3月31日までのものについて、4月1日以降も効果が継続するように定めたものが、日切れ法案の典型的な例です。

■暫定予算と日切れ法案を審議中、予算案は?

 さて、暫定予算と日切れ法案を審議中、2013年度予算の審議はどうなるでしょうか。

 暫定予算の審議も両院の予算委員会で行われます。昨年は、2012年度暫定予算を審議する際、予算委員会は暫定予算のみを議題としました。そのため、2012年度予算の審議はお休みになりました。

 日切れ法案については、次の記事が参考になりそうです。

与党は関税定率法改正案などの日切れ法案を18日からの週に審議入りさせる方針で、その間予算委は開けない。
中国新聞:「13年度予算、連休明け成立の公算 衆院委の審議ずれ込む」

 確認してみると、2012年は3月27日(火)、3月28日(水)、3月29日(木)と参議院予算委員会は開会されず、その他の委員会で日切れ法案の審議をしていました。

■それを踏まえて、2013年予算案の衆議院通過は?

 日切れ法案の審議が、衆参で3〜4日かかるとします。そして、暫定予算の審議は、衆参半日で1日で終わっていました。とすると、前回予想した衆議院通過予定日4月5日に、平日を4日から9日足せばよさそうです。

 4日~9日と間があいているのは、日切れ法案が衆議院を通過したらすぐに2013年度予算案の審議を継続できるのか、それとも、日切れ法案が参議院を通過して成立するまで衆議院予算委員会を開けないのかよくわからないからです。また、昨年の暫定予算の期間は6日程度なのにたいし、今年は5月の連休明けまで1ヶ月半分作成しなければならないはずです。暫定予算の期間の長さが審議日数にどれだけ影響を与えるのかもわかりません。

 以上を考慮すると、2013年度予算案の衆議院通過は、最短で4月5日+平日4日の4月11日(木)頃、遅くて4月5日+平日9日の4月18日(木)頃になる見込みです。

参考文献:
浅野一郎・河野久編著『新・国会事典 第2版』(有斐閣)
清野正哉『国会とは何か』(中央経済社)