野党再編と野党の主導権争い


 2014年1月5日現在。巨大与党に対抗するための手段として、野党再編が連日取り沙汰されています。今までもいろんな野党がいた時期があったのに、なぜいまこんなに野党再編の話で持ちきりなのでしょうか。原因のひとつに、国会運営の協議方法があります。

 1990年台後半から現在にかけて、国会運営の協議の中心は、国会の各委員会の与党筆頭理事と野党筆頭理事による、与野党筆頭理事間協議です。与党代表と野党代表の話し合いです。これは、野党代表となる党がその他の野党勢力を糾合できることが前提となっています(白井誠『国会法』信山社2013:P.18〜P.20)。そのため、他の野党を圧倒するだけの数を持っていて、他の野党が単独で動いても無視できる程度の数になっているとベストです。

 今までは自民党も民主党も野党時代にそれなりの数を持っていたので野党代表として振る舞えました。しかし、一昨年の衆議院総選挙で民主党(56議席)は惨敗し、野党第一党の座は守ったものの、野党第二党の日本維新の会(53議席)に3議席差まで迫られてしまいました。これでは、民主党が当然に野党の代表になる、というわけにはいきません。現に日本維新の会は総選挙後から、ことあるごとに国会運営の協議に維新も参加させるよう求めていています。

 そして、日本維新の会は民主党と共同歩調を取りません。昨年末の特定秘密保護法の審議過程で、日本維新の会は与党との修正協議をまとめます。民主党は与党との修正協議をまとめることが出来なかったため、議事妨害で抵抗するしかなくなりました。そして、民主党が単独で提出した安倍内閣不信任案の採決で、日本維新の会は反対(安倍内閣を信任する)にまわり、民主党の議事妨害はいまいち盛り上がりにかけるものになってしまいました。

 このように、民主党は衆議院において野党の盟主としての存在感を欠いてしまっています。

 ただ、衆議院に比べると、参議院は民主党にとって比較的ましな状況です。民主党(58議席)は昨年の参議院選挙でも議席を減らしましたが、野党第二党のみんなの党は18議席(離党した結いの党の党員を含む)で、40議席の差があります。民主党以外の野党の数を合計しても、民主党が上回っています。ですから、参議院では民主党を中心に、特定秘密保護法成立に抵抗ができたのではないかと思います。衆議院では単独行動していた日本維新の会も、参議院(維新は9議席)に舞台が移ってからは民主党と歩調を合わせるしかなかったように見えます。

 とは言え、衆議院と参議院で野党の数が大きく違うため、衆参で野党として統一した行動ができないという点は否めません。野党を結集するにはどうするか。野党再編して、圧倒的な野党第一党を作ればよいのです。


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