2014年1月18日現在。結いの党が、みんなの党の会派から離脱が認められない現状を、法的措置によって打開しようという主張をし始めています。
法的措置をとるということは、どこかを訴えることになると思います。そもそもどこを訴えるのでしょうか。
みんなの党を訴える場合は、どういう主張になるのでしょうか。結いの党は、政党交付金を受け取る資格がある政党として、みんなの党とは別に存在しています。その結いの党の所属議員の会派離脱届けを、みんなの党が国会に出さないのはおかしいという主張になると思われます。会派の離脱は、所属する会派が出すことになっているからです。
ただ、裁判に訴えるとして、最終的に裁判所にどうしてもらいたいのでしょうか。裁判所に何を強制してもらえば、結いの党は会派離脱という目的を達成できるのでしょうか。みんなの党に、会派離脱届けを出すよう命令してもらう?それとも、所属会派が届けを出さなくても会派から離脱できるように、国会に命令してもらう?
国会に命令する方はありえません。会派離脱問題と似たような話が以前ありました。ある議員が法案を提出しようとしたところ、国会の事務局が受け取りを拒否しました。その議員の所属会派の承認がなかったためです。慣例により、法案提出には会派の承認が必要だったのです。これを機関承認と言います。その議員は国を相手取り、法案が受理されないのはおかしいという訴えを起こしましたが、裁判所は国会の自律権(自分で自分のことを決める権利)の問題であるとして、判断を避け、訴えは棄却されました。
裁判所といえども、おいそれと国会の内部のことに口出しはできません。これを念頭においたのが、時事ドットコム『「法的措置」に不快感=みんな代表』で報じられたみんなの党の渡辺代表の言葉です。以下、時事ドットコムからの引用です。
(引用者註:渡辺代表は)結いの党がみんなの会派からの離脱を認められない場合、法的措置を検討すると主張し始めたことについて、「国会の中で自律的に決められる話を、あえて三権分立の憲法秩序の中で、裁判所に持っていってどうするというのはちょっと考えにくい」と述べ、不快感を示した。
結いの党は、法的措置の検討をどこまで本気でしているのでしょうか。ハッタリなのでしょうか。よくわかりません。だからこそ、結いの党がどのような法的措置をとるのか、非常に興味があるのです。