野党のTPP特別委設置要求について考える


 2013年10月7日、菅官房長官は衆参両院の議院運営委員会理事会に出席し、10月15日の国会召集を伝えました。

 臨時国会召集に向けた与野党の話し合いでは、与党側が海賊対処・テロ防止特別委員会の廃止と内閣安全保障会議設置関連法案や特定秘密保護法案を審議する特別委員会設置を求めた一方、野党は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する特別委員会の設置を主張し、結論はでませんでした。

 野党のTPPに関する特別委員会の設置という主張は、国会戦略上なかなか興味深いです。TPPは多くの閣僚が関わっているため、その分、多くの閣僚の出席要求が出され、閣僚を国会に拘束しやすくなります。閣僚は1人なので、特別委員会に出席することになれば、その分他の委員会に出席することができなくなります。すると、他の委員会が開けなくなり、国会審議全体が停滞する可能性もあります。しかも、特別委員会は連日開会も可能なため、拘束の度合いは高いと言えます。

 もちろん、TPPの特別委員会で審議する法案や条約がないのであれば、連日開会しないことや、まったく開かないことで閣僚の拘束を防ぐことはできます。ただ、特別委員会を開かないこと自体が、政府・与党がTPPに関して国会を無視しているという印象を世論に与え、野党に政権批判の口実を与えてしまいます。

 それだけではなく、TPPの特別委員会設置を拒否するだけでも、「政府・与党はTPPに関して国会で審議する気がない」という宣伝をするには十分です。

 こういうのは定石なんでしょうか。かなりいい手だと思います。


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