「実質審議入り」とは

 国会の動きに関する言葉で「実質審議入り」、「実質的な審議」という言葉があります。例えば、以下のように使われます。

共謀罪の構成要件を改めてテロ等準備罪を新設する法案は、(4月)19日に安倍総理大臣も出席して衆議院法務委員会で実質的な審議が始まります。

(『テロ等準備罪新設法案 きょう実質審議入り | NHKニュース』括弧内引用者)

 国会の委員会における審議の流れは次のようになります。

  1. 法案が委員会に付託される
  2. 委員会で大臣が法案の提案理由説明
  3. 質疑
  4. 討論
  5. 採決

 「実質審議入り」とは上のリストの3番の「質疑」が始まったことを示します。

2017年度予算審議まとめ

■衆議院

  • 基本的質疑 : 3回 (21時間41分)
  • 一般的質疑 : 5回 (30時間14分)
  • 集中審議 : 4回 (25時間09分)
  • 締めくくり質疑 : 1回 (3時間46分)
  • 総質疑時間 : 80時間50分
  • 首相出席質疑時間(基本的質疑,集中審議,締めくくり質疑合計) : 50時間35分
  • 総質疑時間における首相出席質疑時間の割合 : 74.9%

■参議院

  • 基本的質疑 : 3回 (17時間22分)
  • 一般的質疑 : 6回 (24時間26分)
  • 集中審議 : 4回 (24時間50分)
  • 締めくくり質疑 : 1回 (2時間17分)
  • 総質疑時間 : 69時間06分
  • 首相出席質疑時間(基本的質疑,集中審議,締めくくり質疑合計) : 44時間29分
  • 総質疑時間における首相出席質疑時間の割合 : 64.4%

■結論

  • 委員会の回数は衆議院と参議院で同じ(*1)だが、質疑時間は衆議院の方が多い。
  • 参議院の質疑時間は衆議院の8割5分。

(*1) 参議院の集中審議の4回目は締めくくり質疑と同日に行われたため。また、証人出頭要請と証人喚問は政府に対する質問ではないので除いた。

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遅かった2017年度の参議院の予算の採決

 2017年度予算は3月27日に参議院本会議で可決・成立しました。

 3月27日に予算が成立するスケジュールは、私の想定していた中で最も遅いものでした。3月27日が最遅だと考えた理由は、憲法の規定にあります。

 日本国憲法60条2項によると、予算は衆議院で可決し、参議院に送付されてから30日以内に採決されない場合、衆議院が可決しただけで成立します。いわゆる「自然成立」です。今年は、自然成立となる日が3月28日でした。

 参議院にとって、参議院の議決なしに予算が成立してしまう事態は問題があります。参議院不要論をまねく可能性があるからです。ですから、参議院の権威を失わないためにも、自然成立となる前日の3月27日には採決するだろうと思ったのです。

 したがって、参議院の採決は常識的に考えられるなかで最も遅いものだったと言えます。この事態を招いたのは、証人喚問が行われた問題によるものと思われます。

 予算が早く成立すれば与党の勝利、遅く成立すれば野党の勝利とするならば、今回の結果は野党の勝利と言えます。

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予算案衆議院通過。年度内成立確定-平成29年度予算審議、第5週

 2017年3月4日現在。

 平成29年度予算案は2月27日に衆議院で可決し、参議院に送付されました。憲法の規定により、参議院で採決されなかったとしても、3月28日には予算案が成立することになります。

 参議院の予算審議は2月28日から始まっています。3月3日までに採決の前提である中央公聴会の日程が決まっています。衆議院なみの審議時間を取るとした場合、早ければ3月17日に採決する可能性もあります。

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予算案は2月27日に衆議院通過か-平成29年度予算審議、第4週

 2017年2月26日(日)現在。

 与党は一昨日の24日(金)の衆議院予算委員会で平成29年度予算案を採決する予定でしたが、見送られました。理由は仕事を早めに切り上げる「プレミアムフライデー」の開始日のためだと言うことです。

 さて、今後の見通しですが、報道によると与野党は27日(月)に予算委員会の最終段階である締めくくり質疑を行うことで合意しています。採決については合意してないとのことですが、締めくくり質疑のあと討論・採決となるのが通例なので、2月27日に採決される可能性が高いと思われます。

 そして、予算案を27日中に衆議院通過させる場合、本会議に緊急上程し、討論・採決する流れになります。

 衆議院インターネット審議中継によれば、27日の午後4時から本会議が開会される予定が組まれているので、27日に予算案が衆議院を通過する流れなのではないかと思います。

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与党は2月24日の採決を提案-平成29年度予算審議、第3週

 2017年2月19日現在。予算審議は地方公聴会まで終わっています。

 報道によると、与党は今月24日の採決を提案しているようです。予算案を年度内に成立させるには、3月2日までに衆議院本会議で可決すればよいです。

 24日に採決とならなくても問題はありません。

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平成29年度予算審議、第2週

 2017年2月11日現在。衆議院の予算審議は首相の出席がない一般的質疑に入っています。

 予算審議には以下の種類があります。

  1. 首相と全閣僚が出席する基本的質疑と締めくくり質疑
  2. 首相と特定のテーマに関係する閣僚が出席する集中審議
  3. 首相が出席しない一般的質疑

 首相が予算委員会にどれだけ出席したかは、与野党の国会審議の得点になります。

 首相の出席時間が多いと与党の失点・野党の得点になり、逆に首相の出席時間が少ないと与党の得点・野党の失点になります。

 そのため、首相が出席する集中審議がどれだけ行われたかが記事になることがあります。

2017予算審議予想2

平成29年度予算審議、始まっています

 2017年2月5日現在。平成29年度予算の審議が衆議院で始まっています。2月1日から2月3日までの3日間で、総理大臣をはじめとする全閣僚が出席する基本的質疑が行われました。

 ここまでの予算審議の実績と予想をまとめました。衆議院の本会議の定例日は火曜日・木曜日・金曜日なので採決予想日は2月23日と予想しました。

2017予算審議予想1

強行採決は与党と野党の合作である

 2016年11月5日現在。昨日11月4日に、衆議院の環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会でTPP協定の国会承認を求める議案と関連法案の採決が行われ、与党などの賛成多数により可決されました。

 民進党と共産党の欠席するなか質疑を進め、かつ終局し、両党欠席のまま討論、採決となりました。民進党や共産党は「強行採決」だとして、この委員会運営に抗議しています。

■強行採決とは野党の同意なく採決すること

 「強行採決」とは文字通り採決を強行することです。国会審議は与党と野党が強調して行う慣例になっているため、採決の日程について与野党で意見が合わないなか採決をしてしまうことを強行採決と呼びます。

 強行採決の何が問題かというと、採決すると与党の賛成多数により議案が可決されることがわかりきっているからです。与党は野党よりも多数の議席を占めているために与党なので、あらゆる審議を即日採決したら一切議論が行われずに物事が決まってしまいます。

■採決しなければ議決機関ではない

 とはいえ、国会は議決機関なので、どこかで採決をしなければなりません。ここで野党があくまでも採決を拒んだ場合、与党は野党の同意を得ずに採決をすることになります。こうして強行採決が行われることになります。

 つまり、強行採決になるには野党にも責任があるのです。

 しかし、そのことで野党を責めるわけにはいけません。野党には採決すること、政府に質問すること、審議を遅らせること、与党に野党の提案を一部受けいれて貰うこと以外に国政に関与する力を持たないからです。

 野党だからしょうがないのです。

■最後の手段「議事不成立」

 ちなみに、野党の議員が委員長席を取り囲んでいる映像がありますが、あれは単に抗議するだけでなく、委員長のマイクや原稿を奪うことや、大声を出してマイクを正常に動かないようにすることもしています。

 なぜそのようなことをするかというと、委員長や機材にプレッシャーをかけることで、正常な議事手続きを踏めないようにし、「議事不成立」にすることで採決自体を無効にすることを狙っているからです。議事運営は決められた手続きに則って行われなければならないのです。

 あまりにもあんまりな手段ですが、野党にできる数少ない抵抗のひとつです。

 また、それなりに効果があります。集団的自衛権の行使を可能とする法案の委員会採決において、議場が騒然としたために議事録がとりにくくなりました。野党は、議事録が取りにくくなった状態で行った採決は無効で、もう一度やり直すべきと主張しました。もともと評判の悪い集団的自衛権の行使容認に関する件で、議事妨害により政府与党にネガティブなイメージを与えることに成功した事例だと思います。

 ただ、議場を騒然とさせたのは間違いなく野党なので、何をか言わんやです。

衆院補選、野党候補一本化に向け協議

2016年10月5日現在。今月行われる衆議院議員の補欠選挙で、民進、共産、生活、社民の4野党が候補者を一本化する協議を行うとの報道がありました。

補選は東京10区と福岡6区で行われ、両方の選挙区に候補出しているのは民進党と共産党とのことです。つまり、民進党の候補に一本化するか、共産党の候補に一本化するか、どちらかということです。

民進党は代表が岡田克也衆議院議員から蓮舫参議院議員に変わって初めての国政選挙なので、悪い成績を出すわけにはいきません。野党の党首の仕事は、選挙に勝つことだからです。なすすべもなく二連敗してしまうと、足元が危なくなってきます。

報道を見る限り、民進党は立候補を取り下げる気はないようです。そして、共産党は、自党の候補者をおろすなら民進党と共同で政策を決めるべきだとの立場のようです。

内定している候補者に立候補を取り下げろというのは、なかなかしんどいことだと思います。党の言うことを聞かずに立候補してしまうこともあるでしょうし。

ただ、共産党は民主集中制という体制をとっていて、上意下達、一糸乱れぬ行動ができる組織なので、候補者を取り下げるとなったらすっぱり取り下げられそうです。

民進党は共産党と政策協定を結ぶことになるのかな、と思います。

…と書いているうちに、民進党候補に一本化されることが決まったとの報道が出ました。また、今回は政策協定の締結を見送るとのこと。共産党が民進党に貸しを作ったと言うことでしょうか。貸しが返ってくるあてはあるのでしょうか。

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