ポリティカルタスクリストを活用できるか


 2012年12月10日現在。衆議院総選挙の投開票まで1週間を切りました。選挙戦も盛り上がってきました。早く国会が始まってほしいなぁと思いながら、毎朝ドーナツを食べています。

 まだ投票していないので、政治とタスクリストに書いたポリティカルタスクリストを自分で作ってみようと思っています。日々の仕事でプロジェクトを遂行する為の個々の項目表や、自分の習慣を変えたり、維持したりしながら目標達成に進んでいくための行動遂行予定表をタスクリストといいます。ポリティカルタスクリストとは、政党や政治家の政権公約、マニフェスト、アジェンダなどと呼ばれているの政策課題集を「国家のタスクリスト」と捉えたものです。

 私は、次のようにポリティカルタスクリストの考え方を投票にいかそうと思っています。

 個々の政策で考えると、あまりに抽象的で漠然とした政策や、逆にあまりに具体的で国家全体からの意義が見えづらい政策が入り交じり、どの党に・誰に投票すればいいのかわからなくなります。そこで、政党や政治家の主張を、「国家のタスクリストに加えたい事柄」「タスクリストから除きたい事柄」「タスクリストの優先順位を変えたい事柄」というように大雑把に分類します。そして、自分の現在の立場や今後どうなりたいかなどを考え、自分のためのポリティカルタスクリストを挙げていきます。

 「財政再建」と「福祉の充実」といったような一見矛盾するようなものがあっても気にしないでいいと思います。時間を考慮に入れれば、財政再建を果たしてから景気を回復させ、経済成長によってできた余力を福祉にまわしていくということもあり得るからです。ただ、どちらを先にやってほしいかという順番は気にした方がいいかもしれません。例えば、風邪をひいた人に、風邪薬を渡したあと乾布摩擦用のタオルを渡すのか、タオルを渡してから風邪薬を渡すのかでは、長期的に同じ結果になっても短期的な状態にはかなり差があると思います。自分はあんまり急いでないし、風邪も軽いので先に鍛えておこうと思うか、逆にものすごくつらいので今すぐ風邪薬を飲んで寝たいのかは人によって違います。

 ほとんどの政党や候補者の主張が同じに見えるとか、違いが見えないとかテレビで言っている人がいます。もしかしたら、総合的には同じかもしれません。結局、国を豊かにするとか、平和にするとかを目指しているのですから当然といえば当然です。総合的には同じですが、おそらく順番に違いがあるのです。順番が違う程度のことをあんまり気にしすぎるのもよくないかもしれません。そういう風に言っている人もいます。ただ、時間は有限なので、何から先に取り組むかで大激論になるのも無理はないと思います。私は、順番は大事だと思っています。長期的にはみんな死んでるからです。

 ここで自分のポリティカルタスクリストを書いていこうかと思いましたが、やめました。セミナーのワークショップなどで、自分のタスクリストを発表するのも恥ずかしいですが、ポリティカルタスクリストになると、恥ずかしい以上の抵抗を感じます。自分のタスクリストに従うのは自分だけですが、ポリティカルタスクリストは自分以外の人を巻き込むからです。他人のタスクリストに自分がまずしないようなことが書かれていてもあまり気になりません。だいたい自分とは関係ないからです。しかし、それがポリティカルタスクリストになると、その遂行のために国が動きます。国が動くということは、全国の役人が動き、税金が投じられるわけです。税金を払うのは言うまでもなく、私たち国民全員です。まだ有権者でない高校生だって消費税は払います。この点から、ポリティカルタスクリストを公表するのにはものすごい勇気がいります。

 そういう私からすると、政治家や政治家志望のみなさんは、まさにご自身のポリティカルタスクリストを公開しているわけで、すごいなぁと思います。できれば、詳細なポリティカルタスクリストを作って、会期ごとに見直し、できたかできなかったかチェックして、次の会期までにタスクリストを調整するような人や政党が出てくると面白いし、選ぶときにわかりやすいと思うんですけどね。そうなると、国会の手続きを調べている私みたいな人間にも世の中の役に立つチャンスがあるかもしれません。「リスト上位の項目に関係する○○法案が会期末なのに委員会審査も始まってないぞ!やる気あるのか!」みたいなツッコミをバシバシ入れていくのも面白いかも。


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