2016年10月1日現在。自民党の福井照衆議院議員が9月29日、所属する二階派の会合で「TPP特別委員会で強行採決できるよう頑張る」という趣旨の発言をして問題になっています。
強行採決というのは、与野党間の合意なく審議を打ち切り、採決してしまうことです。なぜ裁決を急ぐことが問題になるかというと、採決したら与党案が通るに決まっているからです。普通、与党は野党よりも数が多いから与党なので、当然です。
国会は話し合うための機関であり、単に採決するだけの機関ではありません。話し合わなくてもいいのなら、国会は無駄です。選挙で多数派を決めるだけでいいことになります。だから、強行採決は非難されるのです。
と、ここまでが原則の話です。ここまでに述べたイメージ通りの強行採決ばかりではありません。
完全に与野党が対決している案件の場合、採決になったら与党案が通るに決まっているので、野党としては採決に応じるわけにはいきません。ですから、いつまでたっても採決に入れないという状況に陥ります。野党の合意を得ない採決は強行採決になるからです。
しかし、国会には会期末という期限があり、会期末までに採決できない案件は最悪廃案となってしまいます。廃案になると今まで審議したことは全てなかったことになるので、仕方なく与党が強行採決に踏み切るという場合もありえます。
福井さんはTPP特別委の審議もこのような状態になると思って強行採決すると言ったのかもしれませんが、審議が始まってもいないのに言うことではありません。
しかも、福井さんは同特別委の理事で、野党と話し合って審議日程を決める立場でした。それなのに最初から強行採決すると言ってしまっては、野党の反発がないわけがありません。
だから、与野党問わず批判されているのです。
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