ねじれ国会が終わったからといって、参議院の存在感が低下したと思ったら大間違いです。ねじれ国会が終わったということは、野党に代わって参議院与党の力が更に高まったということです。
■参議院の賛成がないとめんどくさい
一部の議案や手続きを除いて、参議院の賛成なしに成立するものはありません。衆議院と参議院が、同一会期中に賛成して議案が成立するのが原則です。つまり、参議院が反対したらなにもできません。
なにもできないというのは言い過ぎかもしれません。少なくとも、与党の政権運営が非常に困難になる実例を、参議院で与野党の議席数が逆転したねじれ国会で見てきました。このねじれ国会は、昨年の参議院選挙で与党が勝利したため、解消されました。
■与野党逆転以外のねじれ国会
でも、ねじれ状態は野党が多数派でなければ起こらないわけではありません。参議院の与党が、官邸や衆議院と反対の動きをしてもねじれ状態になります。
これも、実例があります。2005年の郵政解散は、参議院で郵政民営化法案が否決されたことで起きています。当時の参議院は、与党が多数派だったのにもかかわらず否決されました。まさに、ねじれ状態です。
集団的自衛権の行使容認をめぐって、参議院自民党の幹部である脇参院幹事長の発言がクローズアップされるのも、参議院自民党の影響力が大きいためです。