■2014年度予算案、衆議院通過
2014年3月1日現在。予算案のスピード可決は、国会で野党との折衝をしている与党議員に多大な負担を与えているのではないでしょうか。先月末から内閣改造(大臣の交代)が取り沙汰されているのは、国会の日程調整に関わっている与党議員のやる気を出すために官邸から出た情報だと思っています。
昨日、2月28日に2014年度予算案が衆議院本会議で可決されました。予算案は参議院に送付され、憲法の規定により2013年度内に成立することが確実になりました。歳出総額は95兆8823億円で、昨年の92兆6115億円から3兆2708億円増えました。伸び率にして3.5%の増加です。
■政府の日程で、予算審議が窮屈に
安倍首相の外遊を優先したこともあり、今国会の開会は1月末にずれ込みました。今年の予算審議が14日間という異例の短さになったのは、国会の開会が遅れたにも関わらず2月末の衆議院通過を目指したことが原因のひとつです。
政府の都合でスケジュールが厳しくなって、与党が汗をかいて間に合わせている格好です。国会審議の現場の議員には、かなりストレスがたまっているのではないでしょうか。昨年の臨時国会で成立した、特定秘密法案の審議も同じような形で審議スケジュールが厳しくなっていて、与党から政府に注文がついています。
■内閣改造で不満を抑える
その不満を抑えるための内閣改造です。今国会で頑張って政府案をスケジュール通り成立させれば、大臣になれるかもしれないのです。頑張りがいがあります。
政界ものの読み物で、内閣改造が首相の切り札のひとつのように描かれていた意味がやっとわかってきました。いままでは、経験と知識を蓄積するためになるべく大臣を交代させないほうがいいんじゃないかと思っていたんですよね。
ですが、大臣だけで行政が動くわけではなく、行政だけで政治が動くわけではありません。国会を通さなければいけないのです。その国会で頑張る議員を処遇するためには、内閣改造が必要なのです。