2014年1月31日現在。安倍首相とみんなの党の渡辺代表の政策協議が実現すると、政策に関与する勢力がひとつ増えることになります。広く話し合うことはいいことですが、問題がないわけではありません。
従来は、政府・自民党・公明党で決めていました。みんなの党との政策協議が実現すると、政策に関与できる勢力は、政府・自民党・公明党・みんなの党と4者になります。ここで、この4者を政策に関与できるプレーヤーと呼ぶことにします。
すべてのプレーヤーが、ある政策について賛成か反対のどちらかの態度しかとらないとき、論理的にどれだけのケースが想定できるでしょうか。2×2×2×2=16通りのケースが想定できます。表にすると以下のようになります。
政府 | 自民党 | 公明党 | みんなの党 |
---|---|---|---|
賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 |
反対 | 賛成 | 賛成 | 賛成 |
賛成 | 反対 | 賛成 | 賛成 |
反対 | 反対 | 賛成 | 賛成 |
賛成 | 賛成 | 反対 | 賛成 |
反対 | 賛成 | 反対 | 賛成 |
賛成 | 反対 | 反対 | 賛成 |
反対 | 反対 | 反対 | 反対 |
賛成 | 賛成 | 賛成 | 反対 |
反対 | 賛成 | 賛成 | 反対 |
賛成 | 反対 | 賛成 | 反対 |
反対 | 反対 | 賛成 | 反対 |
賛成 | 賛成 | 反対 | 反対 |
反対 | 賛成 | 反対 | 反対 |
賛成 | 反対 | 反対 | 反対 |
反対 | 反対 | 反対 | 反対 |
もし、みんなの党がプレーヤーに加わらなければ、ケースはこの半分になります。みんなの党が加わるだけで、一気に8ケースも加わるのです。
これだけの可能性があるものを、すべて賛成かすべて反対にまでまとめることの労力を考えると、プレーヤー間でいったん決めたことはなかなか変えられません。となると、「全員で決めたことだから」と、国会で法案を審議する段階でなかなか譲歩できず、結果的に原案で押し通す場面が出てくるかもしれません。
もちろん、柔軟かつ迅速に合意をまとめることができ、より国会審議が充実する可能性もありますが、国会審議が硬直化する方向にいく可能性もなくはないのです。