■事前審査制のメリット
国会での実質的な審議が行われない原因のひとつとして挙げられている自民党の事前審査制。
なぜこのような制度があるかというと、内閣は国会に提出された法案に対して、審議の日程を決めたり、採決の日程を決めたりすることができないためです。
国会に提出された法案は、政府の役職についていない与党議員と野党議員に委ねられます。国会に提出してから、与党議員が「わたしはこの法案に反対だ!」とやられてしまうと、内閣にはどうにもできないのです。
そういう不測の事態を防ぐため、事前審査制により法案を自民党所属議員が納得いく形にし、党議拘束をかけてから国会に提出するのです。
■野党も事前審査制がなくなると困る?
国会審議を充実させるために事前審査制をなくすには、内閣が国会運営に関与できる仕組みをつくる必要があるかもしれません。
しかし、内閣が国会運営に関与できるとなると、今野党がとっている審議遅延の戦術がとりにくなります。野党は内閣が法案審議を決められるようになる改革案をおいそれとは賛成できません。
かくして、実質的な審議が行われない国会、という状態が続いていくのです。
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