■2012年度補正予算案成立
2013年2月26日現在。参議院本会議で2012年度補正予算案が可決し、成立しました。反対116票に対し、賛成117票。1票差の成立です。本会議での採決に先立ち、参議院予算委員会でも補正予算案は可決されています。安倍内閣は、補正予算案に関して「ねじれ国会」を克服したと言えるでしょう。
■審議日程からうかがえる民主党への配慮
さて、今回の補正予算案の審議日程は、衆議院と参議院でともに5日ずつとなりました。以下がその日程です。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 衆議院1 |
8 衆議院2 |
9 |
10 | 11 祝日 |
12 衆議院3 |
13 衆議院4 |
14 衆議院5 衆議院通過 |
15 G20 (麻生財相出席) |
16 |
17 | 18 参議院1 |
19 参議院2 |
20 参議院3 |
21 参議院4 首相訪米1→ |
22
首相訪米2→ |
23
首相訪米3→ |
24
首相訪米4 |
25 韓国大統領 就任式 (麻生財相出席) |
26 参議院5 補正成立 |
27 | 28 | 1 | 2 |
当初、民主党は衆参各7日の審議日程を主張していましたが、それよりは短くなりました。とはいえ、与党も首相訪米前の成立を目指し、衆参各3日の審議を想定していたので、与党が勝ったというわけではありません。
おそらく、民主党としては訪米前の補正成立を阻止することが第一目標としてあったのでしょう。それを達成するために、補正予算案の審議日程としてはべらぼうな長さの衆参各7日を与党に吹っ掛けたのだと思います。
与党が訪米前の成立を断念せざるを得なかったのは、参議院で与党が過半数の議席を持たないためです。3月からは日本銀行の正副総裁人事の同意案件があり、2013年度本予算の審議も始まります。これらの課題をうまくこなさなければ、7月の参議院選挙での与党勝利はおぼつきません。
このため、参議院の情勢を踏まえた国会戦略を立てる必要があります。この国会戦略の遂行が、「補正予算案の審議日程について民主党に譲歩する」という結果につながったのだと思います。
■わかったこと
補正予算案の審議日程をおってわかったことは、以下の3つです。
- 1.補正予算案を審議する予算委員会は、衆議院と参議院で同じだけの日数行われる
- 2.予算委員会は、首相や財務大臣など主要な大臣が出席できない状況にでもならない限り、平日で連日行われることがある
- 3.予算委員会の採決と本会議での採決は同日中に行われることがある
ちなみに、補正予算案の審議日程の攻防4で書いた読売新聞の「26日参議院予算委員会採決、27日本会議採決」説は外れました。今週中に行われる、首相の訪米に関する衆参予算委員会の集中審議のあと採決する予想だったのでしょうか。まだまだわからないことは多いです。